緩和政策が効果を失いつつある一方でこれを継続していくかという2つの問題によって、世界の金融政策はより一層見通しのきかないものとなっている。世界の金融体系に入れられた量化緩和(QE)刺激策の規模はこれまでにないレベルにまで高まっている。ドイツ銀行は最近、欧州中央銀行と日銀は現在、毎月約1800億ドルの資産を買い入れているが、この数字は2009年以来のどの時期よりも高く、連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和計画の全面的実施の時をも上回っていると指摘している。市場では、欧州中央銀行や日本銀行、さらにイングランド銀行が量的緩和の規模を急速に拡大すれば、世界の量的緩和規模は現在に加えてさらに数十億ドル増えるとの推測が広がっている。だが野村証券チーフエコノミストのリチャード・クーは、この3つの中央銀行の量的緩和政策はいずれも、予期していた効果を上げられていないと指摘する。
日銀はここ数年、大規模な緩和策に取り組んで来たが、予期していた株式市場のパフォーマンスを実現できてはいない。年金積立金管理運用独立行政法人はこのほど、2015年度の年金積立金の運用報告を発表し、損失額が金融危機以来最大の5兆3100億円に達したことを明らかにした。日本のメディアと野党陣営は、株価釣り上げに年金積立金を利用した安倍晋三首相の責任だとして批判している。データによると、積立金を運用する法人が保持する日本の株式の損失幅は10.8%、その他の国の株式の損失幅は9.6%に達した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月1日