国際オリンピック委員会(IOC)は3日、2020年東京五輪大会の追加種目として、野球・ソフトボール、空手、スポーツクライミング、サーフィン、スケートボードを採用することを宣言した。これらの種目の選出からは、若者の好む種目をオリンピックファミリーに入れ、五輪大会が「老人のゲーム」となることを避けようとの狙いもうかがえる。
IOCがあるスポーツを大会種目とするかにはもちろん、普及率やスポンサー、テレビ放送局、開催国など様々な要素が考慮される。ただこれとはほかに、若者という要素は、考慮の過程における重点中の重点となる。
若者に愛される種目と言えば、近年ますます盛り上がりを見せるエクストリームスポーツを挙げないわけにはいかない。エクストリームスポーツとは、難度が高く、危険性が大きく、挑戦度の高いスポーツ種目の総称である。冒険や刺激を好む多くの若者にとっては、歴史は長いが代わり映えのしない五輪大会の種目はどうしても古臭く見えてしまう。そのため五輪大会側は、競技種目の改良の新種目の創設で、刺激を求める若者のニーズを満たそうとしている。
個性的で自らへの挑戦という要素の高いエクストリームスポーツは、世界各地の若者の間で熱狂的な広がりを見せている。例えばエクストリームスポーツの世界大会「X GAMES」は、歴史は20年と浅いものの、すでに世界5大陸に広がる世界的なスポーツイベントとなっている。2015年大会では、4日間で15万人の観客が大会を見に訪れた。
エクストリームスポーツは、スポンサーの募集や視覚効果の創造、業種の枠を超えた産業の形成などでも、非凡な実力を見せている。IOCにとっては、観客層として若者の人気を得ることなしには、五輪大会の持続的な活力と財力を実現することはできない。IOCはすでに状況の厳しさを認識し、未来の発展の行方を予見し、若者の好みに寄り添おうとしている。今回新たに選出された5つの種目のうち、スポーツクライミングとサーフィン、スケートボードはいずれもエクストリームスポーツに属する種目で、すでに五輪大会の仲間入りをしている小径ホイールのBMXもエクストリームスポーツの一つである。2014のソチ冬季五輪では、エクストリームスポーツのスノーボードが特に若者の注目を受け、若者の好みに寄り添うことの利点をIOCに再確認させた。
IOCのバッハ会長は就任後まもなく、「オリンピック・アジェンダ2020」をIOCに採択させ、五輪大会の持続可能性など40項目の改革措置をはっきりと打ち出し、能動的な改革で状況に順応しようとするIOCの姿勢を示した。五輪大会の種目を改革し、より若者向きの人気の大会を実現することも、改革の目的の一つとなった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月7日