日本がもしも、中間段階の防衛システムとして地上ミサイル迎撃システム「THAAD」を導入することになれば、「PAC-3」と共同でミサイル迎撃作戦を実施し、陸海一体の終末3段階の地上配備ミサイル迎撃能力を形成することになる。15万メートルから10万メートルの宇宙空間、10万メートルから4万メートルのニアスペース、1万5千メートルから5千メートルの空中の3層の高度でのミサイル迎撃能力である。これは、襲撃して来た1発のミサイルに対して終末段階において少なくとも3回の迎撃のチャンスができることを意味する。日本が現在持っている地上配備の終末ミサイル迎撃の縦の高度と横の射程、保護される地面の範囲の半径はいずれも10倍に拡大する。さらに1基の「THAAD」システムは、次々とやって来る18発の中距離ミサイルを一度に迎撃することができ、次の段階の「PAC-3」と連携することによって、迎撃率は90%以上に高まるという。朝鮮の弾道ミサイルからの防御を可能とすると同時に、中国の弾道ミサイルの優位性を低め、より整った戦域ミサイル防衛システムを形成することとなる。
日本がもしも「THAAD」配備を執拗に進めるとすれば、多くの島が分散し、南北に細長く分布する日本の全域を防衛するため、日本本土の北から南まで3基から4基の「THAAD」を配備することとなる。陸上配備の防空ミサイル迎撃システム「THAAD」はさらに、日本近海の島々や大型艦船にもミサイル防衛を提供することができる。「THAAD」はこのように、数少ない配備数で、日本の「国家ミサイル防衛システム」を構成し得るものとなる。(文:李家成・遼寧大学移行国家経済政治研究センター研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月21日