中日韓の高官が21日に東京で、3カ国外相の今週の会談に関する議題と日程について調整した。しかし3カ国の外交ムードは現在悪化している。「環球時報」が伝えた。
中日は近日、釣魚島問題で何度も食い違いを見せている。中国は21日に公船4隻を釣魚島の領海に派遣し、日本側はこれに激しく反応した。また駐日本中国大使は先ほど日本に対して、米軍の南中国海の巡航に自衛隊が協力しないよう警告した。さらに中国海軍が日本海で軍事演習を実施すると、日本側は軍機を派遣し近接偵察した。中日が実際の軍事摩擦を回避するのは、ますます困難になってきたかのようだ。
中韓関係は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で膠着状態に陥っており、急展開は期待できない。
北東アジア3カ国の関係がこれほど冷え込んでしまい、中日の軍事摩擦の回避さえ容易なことではなくなってしまった。多くの人は、米国のアジア太平洋リバランス推進が、最大の戦略的原因と信じている。このような観測には理があるかもしれないが、これは問題解決を促さない。中日韓のわだかまりを解消するため米国が協力することは絶対にないからだ。米国は中日韓の対立をそそのかすことが容易であることに気づいており、今後もそのようにし続けるだろう。
中日韓は緊張関係が続けば各自の利益が損なわれることを意識しているが、膠着状態を打破する決定的な動機を持つ国はない。そのため北東アジアの現在の緊張情勢が、短期間内に終了することはないかもしれない。
例えば日韓は中国の重大な譲歩に期待している。日本への譲歩は▽日本への歴史問題の追及の停止▽中国公船の釣魚島海域での活動の大幅な減少▽日本の国連安保理常任理事国入りの容認▽日本がやりたいように「正常な国」になることの容認――などだ。韓国の中国への要求は日本と異なっているが、対朝制裁の強度を米韓と同じ水準にし、かつ韓国へのTHAAD配備を容認することを願っている。
客観的に見ると、中国がこのような譲歩をすることはない。中国人は政府がそうすることを受け入れないだろう。中国は日韓が自制し、膠着状態を固定化させる措置をとらず、さらには情勢をエスカレードさせる行動に出ないことを願っている。しかし日韓にとっては、中国が期待する譲歩は難しいだろう。
中日韓が自国の立場を固持することになりそうならば、危機管理が最も重要で現実的な取り組みになる。中韓の協力への影響が不可避な状況下、この変化をさらなる政治的刺激とさせないことが意義重大になる。中日の最も重要なことは、軍事衝突の回避であり、できれば偶発的な摩擦も回避するべきだ。これが生じた場合、双方はこれをコントロールし、双方の大規模な軍事対抗に発展させることを防止するべきだ。
内外の要因により、北東アジアが短期間内に全面的な協力に向かうことはなさそうだ。中日韓の関係は、緩和・緊張を繰り返し、ある分野では協力し別の分野では膠着する関係だ。3カ国は心を落ち着け、地域の協力に過度な期待を抱くべきではない。そうすれば過度に失望することも、感情の激しい起伏が生じることもない。こうすれば北東アジアは新たな基準による安定を実現しうる。
北東アジアには冷戦の要素が残されており、多くの潜在的問題がある。中日韓は相互関係を大げさに扱うべきではない。最悪の状況を防止し、出来る限り前向きな局面を形成する。つかず離れずで相手国を過度に気にせず、一定の範囲内で振り子を振らせておく。これは3カ国が今後一定期間に渡り、共に取り組むべきことだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月22日