日本の岸田文雄外相がフィリピンを離れてから1週間内に、長く騒がれてきた日本からのビッグなプレゼント、新型巡視船の1隻目がフィリピン沿岸警備隊に就役した。日本はまだ飽きたらないようで、今後さらに正式な援助を継続し、フィリピンの海上法執行能力を強化するため、巡視船10隻とその他の武器を供与すると大々的に発表した。
これほど「貧困支援」に熱心な日本は、英国版の米日同盟を構築し、米国の戦略に追従することを最も重要な目的としている。
日本は南中国海で問題を起こし、東中国海で前進するという都合のいい計算をしている。日本は長年に渡り、東中国海方面、特に釣魚島の圧力を和らげるため、念入りな計画により南中国海に問題を移していった。日本が南中国海周辺諸国の大々的な「援助」に乗り出し、巡視船や哨戒機などの各種武器を貸与・販売し、米国やインドなどとの南中国海における合同演習・巡視の規模と強度を拡大することで、中国の近海情勢のリスクを高めている。これは中国を全面的にけん制し、震撼させることが目的だ。日米が高圧的になり調子に乗っている間に、中国は日本の「南下」に対して計画を立て、さまざまな対策を講じている。
日米との正常な商業・貿易交流を維持し、二国間対話と交流を拡大し、相互間の政治的相互信頼を再構築すると同時に、中国は日米の南中国海及び関連海域における間違った言行を断固批判し、争わなければならない。日米が地域の安全を損ね、中国に対する軍事的な恫喝と包囲を強化するならば、中国はこれに断固反対し、力強く対処しなければならない。中露の南中国海における海軍合同演習がそうだ。
日本が近年、南中国海に頻繁に「南下」していることについて、中国側は発想を変え「北上」しても良いだろう。例えば中国の海と空の兵力は日本海に適時進入し、大規模な海上訓練、海上対抗訓練などを実施できる。先日、リムパック2016に参加した中国海軍の艦隊は東海艦隊の別の艦隊と日本海に入り、実戦環境に即した海上対抗訓練を実施した。これは不慣れだが日本の本土に近い広い海域で行われた、「海上の駆け引き」だ。日米などはこれに警戒を強め、さまざまな憶測をした。日本は長期的に、この海域を「自国の裏庭」とし、他国の海の力が食指を伸ばすことを強く警戒している。米国は日韓に多くの軍事基地を持つため、自国の艦艇や航空機が他国の妨害を受け、損失を被ることを「強く懸念」している。海外メディアの報道を見ると、今回の中国海軍の「北上」演習・行動は、すでに効果と力を発揮しているようだ。
中国海軍の艦艇5隻が2013年7月3日、対馬海峡を通過し北上し、14日に北海道の宗谷海峡を通過した。7月25日には沖縄本島と宮古島の間の海域を通過し、東中国海の海域に戻った。この艦隊は当時、日本列島一周航行を初実施し、日本に「冷や汗」をかかせた。軍艦と軍機がこの領海に属しない海域を自由に航行することは、「戦わずして敵を屈服させる」ような警告と抑止的な意味合いを持つと言える。(李傑:中国海軍軍事専門家)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月22日