公開中の日本映画「シン・ゴジラ」には、自衛隊が現在配備されている先進的な武器を使い、怪獣を攻撃し地球を守るシーンがある。本作品は自衛隊の現在の実力を反映し、驚異的な興行成績を叩き出しているが、自衛隊の装備の多くの弱点を露呈している。週刊アサヒが伝えた。
日本の軍事専門家、清谷信一氏は次のように指摘した。
自衛隊は攻撃ヘリAH-ISを使いゴジラを攻撃した。20ミリ機関砲を装備しているが、それが効かないので、今度は米国製のAH‐64D「アパッチ」が30ミリ機関砲で射撃する。AH‐1Sは老朽化しており、部品調達予算が削られており、約60機のうち実戦に投入できる数は限られている。飛行時間が制限されてしまい、パイロットは草むしりをしていると聞く。アパッチは62機調達されるはずだったが、13機で調達が中止された。スクリーンに登場したのは4、5機だったが、予備機やメンテナンス中の機体もあり、稼働できる機数は映画程度だろう。
地上部隊では、10式戦車が120ミリ砲をゴジラに向けて発射した。現時点ではまだ配備されていない16式機動戦闘車も姿を見せる。これは防衛省が開発した8輪装甲車で、105ミリ砲を搭載。しかし現実世界に目を向けると、この機動戦闘車の調達は税金の無駄遣いだ。防衛省は今年度予算で36両を259億円で調達するが、味方の歩兵に対する火力支援が目的であれば、もっと二次被害の少ない76ミリ砲や90ミリ砲を採用すべきだった。そうすれば車体も軽量化でき、調達・運用コストも安く済んだはずだ。
同じく映画に登場した陸自の99式自走155ミリ榴弾砲には精密誘導弾がない。この種の砲弾は標的にレーザー照射で誘導する。中国人民解放軍はすでに導入しており、途上国ですら70ミリ級のロケット弾に誘導装置を導入しているが、自衛隊にはない。そのため実際にゴジラのような怪獣が出現した場合も、精密攻撃ができない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月4日