27・28日に東京で行われた「北京-東京フォーラム」では、両国の官僚が開幕式で、両国関係を後押しし、和やかにするような演説を行ったほか、両国の各分野のエリートが5つのサブフォーラムで交流を深め、中日関係の下げ止まりと再上昇のための方法を積極的に検討した。こうした努力は、双方の善意を集めたものと言える。中日間では実際、こうした試みが絶えることなく継続されている。
だが中日関係は現在、非常にまずい状況にあり、今後の動向も楽観は許されない。両国は実際にはすでに「冷平和」の状態にある。双方の関係が冷戦へとなだれ込むのを阻止することは当面の急務である。
中日は外交においてすでに、全面的な競争に近づいており、おおっぴらに相互に攻撃し、相手を悪役として描き出している。中日はいずれも現在、相手側の「友好的でない国」のリストのトップであり、両国民の相互のマイナスイメージはますます高まり、短期間では解決できない事態が蓄積されつつある。
中日間ではこれまで、全面的な軍事的緊張が形成されることはなかった。だが両国は現在、相手を仮想敵国とみなす傾向をますます高めている。双方は、釣魚島周辺の摩擦に少しずつ慣れ始める一方、両国の艦船や航空機が武力衝突を起こすのではないかとの懸念が公に語られ始めている。中日の軍事衝突が起こる万一の可能性に対し、両国社会はすでに、心の準備を終えているようにも見える。
中国と米国の関係においても近年、緊張したムードが高まっているが、その変化はゆっくりとしたもので、状況はまだ安定している。ここ数年で本当に変わったのは中日関係である。その性質は過去とは違ったものとなり、将来の不確定性は高い。中日両国はここ数年、大量の不満を蓄積しており、この不満は、双方の感情が短期間に高ぶり、危機管理のコントロールが効かなくなる可能性をもたらしている。
冷静に分析すると、中日両国の関係の状況は過去とは違ったものとなっている。双方には現在、何としても争わなければならない根本的な矛盾はない。両国の問題の多くは感情的な争いである。釣魚島問題は、実質的な紛争の規模とそれに投じられる力の大きさとの差が世界でも最も大きな衝突と言えるだろう。中国とインドの間の領土争いの規模はこれよりもずっと大きいが、双方はこの問題をクールダウンし、両国関係に対するマイナス影響を最小化することに成功している。釣魚島の争いのヒートアップをこれと比べれば、これがすでにただの「領土争い」でなくなっていることは一目瞭然である。