オタク、不登校、仕事に行かない、外界と接触しない、内向的な性格、群れない、アニメやゲームにはまっている―日本ではこうした若い人たちは「引きこもり」という名で呼ばれている。米CNNはこのほど、日本政府の2016年最新統計を引用して、15~39歳の人の中で引きこもりの人は全国に54万1千人いると伝えた。
日本に引きこもりという言葉が生まれてからすでに20年。しかし今なお、引きこもりは社会の大きな問題となっている。
日本の有名な劇作家岩井秀人さんは「16歳のときから20歳になるまでの4年間ずっと引きこもりの生活をしていた」「15歳のときに外に出ようとしたが、どうしてもうまくいかなかった。これで私の世界観は大きく崩れた」と語る。
現在の日本で岩井さんのような若者は決して少なくない。引きこもりの定義は、少なくとも6ヶ月間外出せず、学校や仕事に行かない人たちである。
九州大学神経精神科の加藤孝宏教授は「引きこもりの背後には、うつなどの個人の精神状態が関係していることはもちろんだが、文化や社会の影響も無視できない」と指摘。「一般的に見て、こうした人たちの適応力は普通の人に比べて劣る。何か突発的なことが自分の身の回りに起こると、息苦しさを感じるようになる」と話す。
グラスゴー大学のアンディー・ファーロング教授は「ひきこもり現象は日本経済の浮き沈みと関係がある」と分析する。「1980年代のバブル経済崩壊と1990年代の不景気によって、“いい成績といい大学、いい会社、そして終身雇用”という従来のベルトコンベアーが崩壊した。それに変わって登場したパートやアルバイトといった短期の就労形態が若者の心を不安に陥れた。フリーターや親のすねかじりなどもすべて日本経済の衰退が社会に反映されたもものである」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月2日