フィリピンのデルフィン・ロレンザナ国防長官は7日、フィリピンが米国との南中国海における合同巡航を「一時停止」したと発表した。フィリピンのこの動きが、米国との南中国海における共同巡航の「一番手柄」を取ろうと日本を促すことはないだろうか。軍事専門家の梁芳氏は人民網のインタビューを受けた際に、「日本が仮に米国と南中国海を共同巡航すれば、火傷することになる。中国が日本に容赦することはない。日本は南中国海における行動が招く結果を慎重に検討するべきだ」と指摘した。
フィリピンのドゥテルテ大統領は9月、米国と南中国海で共同巡航することは二度とないと発言し、かつ両国が毎年・計28回実施してきた軍事演習の停止を検討している。また米国に対して、フィリピン南部の特殊部隊の兵士を撤退させるべきだと表明した。
フィリピンと対照的なのは日本だ。稲田朋美防衛大臣は先月15日に訪米した際に、自衛隊が米軍と南中国海を共同巡航すると宣言した。
しかし稲田氏が大々的に発表してから間もなく、日本政府は調子を変えた。武居智久海上幕僚長は先月26日にワシントンで取材を受けた際に、「稲田防衛大臣を誤解している。海上自衛隊の艦船はこれまで通り、南中国海を通過する際に米軍と巡航訓練を実施するが、同海域での巡航に特別に艦船を派遣する計画はない」と述べた。
梁氏は「日本は先ほど米国と南中国海を共同巡航すると表明してたが、最近ややトーンダウンしているようだ。米国は中国周辺諸国を集め南中国海を共同巡航しようとしたが、計画は成功しておらず、唯一応じたフィリピンも今や停止を発表した。この状況下、日本は積極的に米国と南中国海を共同巡航すれば、火傷することになる。日本はこれについて、中国から強い戦略的抑止力を感じてもいる」と述べた。
解放軍報の情報によると、中国海軍3大艦隊は8月1日、東中国海で大規模な実弾対抗演習を行った。艦艇100隻以上、軍機数十機、沿岸警備隊などが出動した。
梁氏は「海軍3大艦隊の東中国海での演習は、特定の国に向けられたものではないが、客観的に見て日本の南中国海進出をけん制した。日本は背後を脅かされれば、軽率に南中国海で邪魔立てができなくなり、南中国海での行動が招く結果を慎重に検討しなければならない。中国は米国と徹底的な対立に陥っていないが、日本に対しては絶対に容赦しない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月11日