日本共同通信社は19日、政府消息筋の情報として、安倍政権の対ロ領土交渉が重大な転換を迎えたと伝えた。問題となっている領土の主権の帰属を平和条約締結の前提とせず、ロシアが北方領土(ロシア名・南千島群島)が日本に属すると承認しなくても、日本はロシアと平和条約を締結する可能性がある。日本の対ロ領土交渉上での大きな譲歩と見られている。日本政府はこれについてまだコメントしていない。
ロシアのプーチン大統領の年末の訪日が決まって以来、日本国内では、両国の領土交渉に対するさまざまな憶測が語られてきた。主権放棄という「苦肉の策」以外にも、日本メディアはこれまで、「歯舞・色丹二島先行引き渡し案」や「四島日露共同管理案」などを伝えてきた。
だが日本国内での盛り上がりに比べると、領土問題に対するロシアの反応は冷たいと言える。中国社会科学院ロシア・東欧・中央アジア研究所ロシア外交研究室の副主任・研究員を務める李勇慧氏によると、日露関係の緩和はロシアにとって、西側によって強いられた孤立を脱却し、ロシアに対する西側陣営の封じ込めを突き崩すことにつながる。日本から見ると、安倍首相が積極的な対ロ政策を進めているのは、領土問題の解決が大きな原因の一つとなっている。双方はそれぞれ関係緩和を必要としている。
李勇慧氏は一方で、「プーチンのボトムラインは、1956年宣言に照らしてまず二島の問題を解決することだ。軍事基地を設けている択捉と国後の二島についてプーチンが譲歩することはない。歯舞と色丹の返還も、経済協力の協議が前提となる」と指摘している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月20日