フィリピンのドゥテルテ大統領は就任後間もなく、米国に「手強さ」を示した。まずはフィリピンの米国大使を避難し、さらにオバマ大統領がフィリピンに内政干渉していると批判した。そして今や、来年の米比軍事演習をキャンセルすることを計画している。
この情勢を受け、米国の同盟国である日本は、居ても立ってもいられなくなった。西側メディアの報道によると、ドゥテルテ大統領が25日より訪日することを受け、日本はこの機会を利用し米国とフィリピンの「平和の使者」になると称した。
米比関係がもつれ、なぜ日本が焦っているのだろうか。ドゥテルテ大統領が、仲裁に乗り出そうとする日本の意を汲むことはあるだろうか。
【米比関係が悪化、日本は何を焦っているのか】
読売新聞によると、安倍晋三首相はドゥテルテ大統領との会談で、米国のアジア太平洋地域における安全保障の役割について説明し、「米比間の架け橋」としての効果を発揮する計画だという。
清華大学国際関係研究院の劉江永教授は「日本は長期的に、具体的な国際問題を処理する際に、日米同盟という軸に当事国を加えた2プラス1という形式を守ってきた。例えば朝鮮の核問題では、日米プラス韓国だ。日本は東南アジアでも、この形式を守っている。具体的には日米プラスフィリピン、日米プラスベトナムなどだ」と指摘した。
「米比の関係が悪化し、日米プラスフィリピンという三角関係が脆弱化している。日本は東南アジアにおける影響力の低下を望んでいない。しかもベトナムはフィリピン側の新たな動きを受け、これまでの日米プラスベトナムを疑問視している。これも同じく、日本を懸念させている」
【ドゥテルテ氏、日本の意を汲むか】
ジャパンタイムズによると、日本は日比関係が米比関係よりも良好なうちに、米比間の「平和の使者」になろうとしている。日比関係は確かに、経済・貿易関係が密接だ。
上海国際問題研究院外交政策研究所大国外交室長の周士新氏は、「ドゥテルテ大統領は、米国がフィリピンを安全の追従者や属国と見なしていると考えており、米国と安全面の協力強化を続けようとしていない。戦略・安全面で米比の仲裁者になろうという日本の考えは独りよがりだ」と述べた。
米比関係がいかに変化するかは両国間の問題であり、第3国の日本は介入しにくい。日比の安全分野の協力も、米比関係の発展に大きく左右される。
周氏は「米比関係は、フィリピンに対する米国の政策と態度に変化が生じるかや、米国がフィリピンを十分に尊重し、フィリピンと平等に交流し、フィリピンが経済・安全面で両国の協力からメリットを得ているとドゥテルテ政権が判断するかにかかっている」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月27日