日本の文部科学省が発表した統計データが、再び各界から注目を集めた。2015年に全国の小中学校で確認されたいじめは22万4540件にのぼり、前年比で3万6468件増加し、過去最多となった。うち9人がいじめを理由に自殺した。日本のいじめはすでに、「管理するほど深刻化」という境地に陥っている。
いじめを防止するため、日本は数え切れないほどの政策と法律を打ち出した。しかし現在の状況を見ると、効果はそれほど出ていない。それでは禁止してもいじめがなくならない原因とは何だろうか?
まず、インターネットの普及によりいじめが多様化している。文部科学省の調査によると、「パソコンや携帯電話でのひぼう・中傷など」が4.1%。携帯電話でのいじめが増加傾向を示している。先ほど日本では、返信をしなかったことで集団暴行を受け、死に至る事件が発生した。技術の進歩に伴い、伝統的ないじめ対策が効果を発揮しなくなった。これは禁止してもいじめがなくならない、技術的な原因だ。
次に、弱肉強食の進化論による観点が災いしている。開国後の日本では、「自然淘汰」というジャングルの掟が主流思想になり、日本社会では「強者が弱者を淘汰するのは至極当然」とう意識が形成された。このような状況には現在も、それほど変化が生じていない。一部の生徒はさまざまな理由により有利な立場にあり、一部の成績が悪い、もしくは運動神経が悪い生徒は、自ずといじめの対象になる。これは禁止してもいじめがなくならない、文化的な原因だ。
さらに、仁愛教育の欠如だ。日本は中国の伝統文化を学ぶ際に都合の良いものを選択し、「仁愛」の精神を意図的に無視し、「忠勇」の教育を一方的に強調した。仁愛がなければ、他人が間違いを犯した時に、日本社会は寛容になり難い。これは日本の武士が間違いを犯した後に自殺で謝罪する原因の一つである。日本は敗戦後、西側の観点を導入したが、学校教育では寛容な人文精神が不足している。これは禁止してもいじめがなくならない、教育の原因だ。
最後に、家庭と学校が責任を押し付けあっている。日本では多くの保護者が、子供を学校に預ければ、後のことは知ったことではないと考えている。学校側は、温かな家庭環境は、児童の心身の健康を保証する前提としている。国はいじめ解消の責任は、主に学校と家庭にあると感じている。こうして子供に問題が生じた際に、互いに責任逃れをし、問題解決を遅らせている。これは禁止してもいじめがなくならない、体制の原因だ。
いじめは政府、家庭、学校、社会などの各方面に関わる複雑な問題であり、標語を叫び幾つかの規定を出せば解決できるものではない。日本が同問題にさらに力を注がなければ、いじめは完全にコントロールを失うだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月9日