インドのモディ首相が10日より、3日間の訪日を開始する。日本の安倍晋三首相はモディ首相の訪日中、原子力協定に署名する予定だ。協定が結ばれれば、日本は核拡散防止条約の未加盟国と初めて原子力協定を締結することになる。安倍首相はなぜ率先して「核の境界線」を越えようとしているのだろうか、これにはどのような目的が隠されているのだろうか?
日本が立場を軟化、インドと原子力協定に署名へ
日本とインドは原子力協定を巡り、交渉を続けてきた。インドは核保有国であるが、核拡散防止条約に加盟していない。そのため日本は、インドと原子力技術の協力の強化を避けている。日本は、インドが技術を軍事目的に用いることを懸念している。
安倍首相が昨年12月にインドを訪問した際に、双方は原子力協定の署名を巡り合意したが、法的・技術的な問題により正式な署名には至らなかった。今回のモディ首相の訪日で署名されれば、日本は初めて核拡散防止条約の未加盟国と原子力協定を締結することになる。
安倍氏の「密談外交」、核の境界線を突破へ
インド経済紙『The Economic Times』は「両国政府は協定の署名に期待しているが、原爆を投下されたことがあり、福島原発事故に苦しむ日本の国内では、反対の大きな声が上がっている。しかし安倍首相は『交渉中』を盾にし、『国家機密に関わる』を口実にし、内容を公開せず、国会で野党からの質問を受けていない。同協定を強行署名し、国会で承認を得る構えだ」と報じた。
安倍首相が昨年12月にインドを訪問した際に、多くの民間団体と被爆者が抗議デモを行い、「核では平和を創れない」「日印原子力協定に反対」と書かれたカードを掲げた。
安倍氏の私心、インドへの輸出を促進