北東アジアでは最近、一夜にして急激な変化が生じている。新首相を慌ただしく指名しても、「友人問題」のスキャンダルに陥った朴槿恵大統領の状況に好転は生じていない。日韓両国は最近、人目を引く新たな動きを見せた。
共同通信によると、日韓両国政府は現地時間1日、安全分野の機密情報の共有を可能にする日韓「軍事情報保護協定」の締結に向け、外務・防衛部門の事務レベル協議を4年ぶりに再開した。これは日韓が政治・安全関係で、さらに歩み寄ったことを意味する。緊張情勢を迎えた朝鮮半島にとって、これは誰もが喜ぶ朗報ではない。渦中に陥っている朴大統領にとって、これはさらに火に油を注ぐ危険な行為だ。
国際関係学院国際政治学部副教授の孟暁峰氏は「日韓の長期にわたる歴史問題、安全の相互信頼問題が、障害になる可能性がある。日韓が2012年に軍事情報保護協定の協議を開始した当時、韓国国内では強い反発が生じた。一部の市民団体は、植民地支配について少しも反省しようとしない日本と軍事協定を締結することは、韓国人の感情に配慮していないと批判した」と指摘した。
懸念は4年後も存在している。聯合ニュースは「韓国国内では現在も、安倍首相が侵略の歴史に対するこれまでの立場を変えておらず、むしろ日本を戦争を発動できる国に変えようと試みており、協定の締結を促すのは不適切だという声がある。また安倍政権は軍事面でさまざまな不安な動きを見せており、韓国が日本という戦車に縛り付けられ、自国の安全にリスクが生じることを懸念する人もいる」と報じた。
外交学院の張曆曆教授は「協定が今年締結される可能性は、2012年を上回るが、韓国国内の政治状況に大きな変化が生じている。これほど重要な協定が、朴大統領の政権運営上の危機が解消されぬまま締結されることはない。協定が最終的に発効するためには、大統領の署名が必要だ。ところが朴大統領は国会や社会から強い批判を浴びており、本件を推進する能力があるかについては、今後の成り行きを見守る必要がある」と述べた。
どのような考えがあっても、朴政権が日本側に応じて同協定を締結すれば逆効果になり、さらには火に油を注ぐことになるだろう。張氏は「これは韓国国内の民意に背いているからだ。朴大統領が政権運営の重心を北東アジアに置き、THAAD配備を先ほど決定したことについても、世論は反対の立場を持っている。関連する問題における朴大統領の態度は一致しておらず、政権運営能力に関する疑問を深めている」と分析した。
孟氏も「この協定が締結されても、北東アジアの安全を更に脅かし、情勢を緊張化させるだけだ。日韓両国、特にこの先どうなるか分からない朴政権にとって、軍事・防衛の対抗的なメカニズムの試行錯誤をするのではなく、平和協力メカニズムを推進することが、半島問題を解決し国家安全を守る正しい道である」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月7日