日本人作家・吉井忍
中国では数年前から中国語で執筆活動を行う日本人作家が人気を集めている。加藤嘉一、新井一二三、吉井忍といった日本人作家たちが綴る中国語はネイティブの中国人も赤面してしまうほどの円熟さだ。また日本の学術界には千野拓政氏という中国人より流暢な中国語を話す研究者もいる。東方早報が伝えた。
早稲田大学文学学術院の教授を務める千野氏は長年にわたり、現代中国文学の研究に尽力してきた。
数年前から千野氏の研究対象は伝統的な文学研究から、文化研究へと次第に移行してきている。氏が最も注目しているのは、現代青年文化だ。還暦を越えた白髪のこの研究者は若者たちが関心を寄せるアニメ・漫画、ライトノベル、ネットゲームといった二次元コンテンツにその関心を寄せている。
上海大学文学院文化研究科の兼任教授も務める千野氏は今学期、同大学で講義を行った。講義の最後に千野氏は教室にいた大学院修士課程学生や博士課程学生に対し、「君たちは希望と絶望のどちらが多いと感じているか?」と質問した。こうした質問をした意図は中国の若者たちの心理状態を理解したかったからだという。講義を終えた後、千野氏は中国の青年作家の考え方や現代の日中の青年文化に関して記者と対談した。