日本の稲田朋美防衛相は16日、「南中国海を守ることが東中国海を守ることにつながっていく。世界に法の支配を貫徹していくということだ」と発言した。軍事専門家の尹卓氏は、稲田氏の発言は完全に黒白を転倒しており、米国の海上覇権実施に追随する心理状態だと述べた。
テレビ朝日によると、稲田氏は現地時間16日、ラオスで日ASEAN防衛相会合に出席した後、記者に対して「南中国海を守ることが東中国海を守ることにつながっていく。世界に法の支配を貫徹していくということだ。そのためには、ASEAN地域の国々が一緒に能力を上げていく」と述べた。
日本の安倍晋三首相は同日、訪日したマレーシアのナジブ首相と東京で会談した。日本側は、マレーシアに退役した全長90メートルの大型巡視船2隻を無償供与し、来年交付を目指すと宣言した。同時にマレーシアの海上安全能力の強化に向け、7億円の無償資金援助を提供するとした。
中国外交部の耿爽報道官は17日、日本の防衛相の発言について記者からの質問に回答し、「ASEAN諸国が南中国海問題でどのような立場を持つか、現在の南中国海情勢をどのように見ているかについては、ASEAN諸国が自ら口にすべきことだ。日本はASEANの代弁者ではない。中国側は域外国の日本に対して、南中国海の平和と安定を守ろうとする地域諸国の努力を損ねるべきではなく、ましてや揉め事を引き起こすべきではないと忠告する」と述べた。
尹氏は「稲田氏の発言は完全に黒白を転倒している。東中国海は日本のものではなく、周辺には中国や韓国などの国がある。誰が日本に東中国海を守ってもらおうとしたのか。南中国海周辺には多くの国があり、日本に属する海域は一寸もない。そのため稲田氏の発言は、米国の海上覇権実施に追随する心理状態だ」と述べた。
尹氏は「東中国海と南中国海の平和と安定の維持は、中国と東中国海・南中国海周辺諸国の願いだ。米国が南中国海に干渉する前、同地域では係争が生じていたが、衝突や戦争が起きる危険性はなかった。南中国海地域は平和的で安定的な雰囲気を示していた。各国は経済発展のために取り組み、相互関係のバランスが取れていた。米国と日本が介入後、揉め事を起こし続け、南中国海情勢をにわかに緊張させた」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月21日