BBCによると、韓日政府は14日に、この協定に仮署名した。23日の正式な署名により、両国が第2次大戦後に初めて署名した軍事協力協定になった。しかし本件は、韓国人の強い反発と、韓国メディアの懸念を引き起こしている。聯合ニュースによると、大統領の退陣を求める5回目のろうそく集会を26日に予定している主催者は23日、4本のルートにより大統領府を包囲すると表明した。主催者側はデモ行進により、人の壁で青瓦台を囲む予定。
民間調査会社、ギャラップ韓国が18日に発表した調査結果(回答者は1007人)によると、59%が「侵略の歴史を反省していない日本との軍事協力はできない」ことを理由に、韓日の軍事情報包括保護協定の署名に反対している。賛成は31%のみで、10%は態度を保留。「戦争反対平和実現・国民行動」など11の市民団体は23日、韓国国防部前で抗議し、同協定の署名に反対し、朴槿恵大統領の退陣を要求した。
あなどれない親日勢力
中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究員の董向栄氏は「韓国人から強い反発が出ているが、韓国国内では日本問題をめぐり大きな分裂が生じている。韓国国内には、親日・反日という2つの勢力が存在し、この親日派の勢力をあなどることができない。日韓軍事同盟の強化は、一定の支持を得ている」と述べた。中国政法大学東アジア研究センター長の孫承氏は「日本は地理的に朝鮮に近い韓国が、レーダーなどによって偵察した情報を得ようとしている。日韓関係は最近、大きく改善された。両国は慰安婦問題の賠償で合意しており、日本は韓国との関係改善で大きく譲歩した」と指摘した。
董氏は「これは米日韓同盟の強化の需要でもある。日韓両国関係の強化は米国、特にオバマ政権が強く促進したことだ」と捕捉した。BBCによると、日韓が10月に同協定の交渉再開を発表すると、米国防総省が歓迎を示し、米国の東アジアにおける同盟国の協力促進に資すると表明した。
日韓関係の行方
聯合ニュースは「韓日は同協定の署名をスタートラインとし、各方面の軍事協力を強化する可能性があり、物品役務相互提供協定の署名について検討するかもしれない。しかし大統領の友人による国政介入問題の影響が広まるなか、韓国政府が同協定の署名に必要な手続きを慌ただしく終えたことから、韓日の今後の軍事協力がそれほどスムーズに進むことはない」と論じた。
順調には進まないかもしれないが、日韓両国関係の動向は、依然として注目の焦点だ。孫氏は「日韓関係がさらに発展する可能性は完全にある。日本と韓国は米国の北東アジアにおける主な同盟国であり、日韓間のこの関係を強化するならば、米日韓の同盟関係もさらに強化されるだろう」と話した。
米日韓同盟の強化は、北東アジアに影響を及ぼす。董氏は「第2次大戦後、北東アジアは冷戦の生きた化石の状態になっている。米日韓同盟の強化は、米日韓と中ロという2大陣営の対抗を激化させ、地域の平和と安定を損ねる」と懸念した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月28日