日本が特恵関税の基準を引き上げへ、誰にとっても不利益に

日本が特恵関税の基準を引き上げへ、誰にとっても不利益に。 日本の財務省は24日に開いた関税・外国為替等審議会で、「特恵関税」の対象国の見直しを2019年度に終え、同年度に新制度を開始すると発表した…

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発信時間: 2016-11-28 10:49:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本の財務省は24日に開いた関税・外国為替等審議会で、「特恵関税」の対象国の見直しを2019年度に終え、同年度に新制度を開始すると発表した。現在の計画によると、財務省は特恵関税に新基準を加える方針を固めている。1人当たり国民総所得(GNI)が4125ドル以上、輸出の世界シェアが1%以上の国も対象外とする。この基準によると、中国は特恵関税の対象外になる。

中国と日本は一衣帯水の隣国であり、非常に緊密な貿易関係を維持してきた。中国の改革開放初期、日本からの経済援助は、中国経済が短期間内に苦境から脱却するため、重要な力を発揮した。中国経済が高度発展し、世界2位の経済体になった後も、中日両国の貿易関係はより緊密化した。

日本の特恵関税制度は、先進国としての責任を示している。中国の輸出貿易も自ずと、日本の同政策により利益を得ている。日本の同政策により利益を得る国は、中国だけではない。しかし日本は中国にとって5番目の輸出先であり、中国の1000−2000種の商品が特恵関税の待遇を受け、関税が毎年10億元以上引き下げられている。日本が特恵関税の基準を引き上げれば、中国の輸出が一定の圧力を受けることは間違いない。

国際金融危機の勃発後、世界市場の低迷により、日本経済も痛手をこうむった。近年推進されてきたアベノミクスの効果は微々たるもので、日本政府は貿易保護主義的な傾向を示している。しかし対外貿易において、一国が別の一国に特恵関税の待遇を与えれば、利益の譲渡と見ることができるが、自国も貿易の利益を手にすることができる。

日本は中国からの輸入品に特恵関税を適用していた。これは中国企業の輸出に有利だったが、中国は決してこの利益を無償で手にしていたわけではない。中国は日本にとって2番目の貿易相手国であり続けた。日本はこの10年間で、中国から1兆8600億元の貿易黒字を手にした。これは日本の貿易が、中国市場に強く依存していることを示している。日本政府が自国の利益のために、貿易保護主義を開始した場合、中国の対日輸出を損ねるばかりか、中国市場での利益も損なわれる。そのため日本は特恵関税の基準引き上げを検討しているが、これはどちらにとっても不利益になるだけだ。

財務省が特恵関税の基準引き上げを提案したことには、国際市場の深い背景がある。これは注目に値することだ。8年前の国際金融危機は、各国の取り組みによりほぼ収束したが、貿易保護主義の思想が台頭している。これは懸念すべきすう勢だ。米大統領選で当選したトランプ氏は、中国からの輸入品に45%の関税をかけると提案した。これは大統領選中のリップサービスと見ることができるが、すでに中国の貿易に影を落としている。日本の財務省の提案はトランプ氏の主張と期せずして一致し、国際経済交流においてWTOの精神にもとるすう勢が現れたことを示している。

国際貿易において、一部の重要な経済体は関税引き上げにより自国の利益を守ろうとし始めているが、これは短絡的な目だ。世界の経済成長を著しく損ね、最終的には自国の経済の利益をも損ねることになる。(筆者:周俊生 財政・経済コメンテーター)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月28日

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