日本政府筋によると、日本国内の製造メーカーはインド政府と、輸出に向け交渉を開始した。現実化すれば、大量生産により膨らむ自衛隊の経費を削減できるばかりか、日印の安保分野の協力を強化できる。防衛省当局者は、「US-2を民間用にする際に、機体の敵軍識別器を取り外せば、武器とはされなくなる」と話す。そのためこれは民間賃貸行為であり、武器輸出三原則とは抵触しないというのだ。またインド側も、水上機は災害救助や海賊撲滅などに用いるとしている。しかし読売新聞は、ロシアとカナダもインドに救難水上機の輸出を計画していることから、US-2の輸出が実現するかはまだ不確実だとした。
軍事情報サイトは7月25日、「インド海軍が日本の新明和工業から、US-2を12機調達する。これは日印の政府間契約で、価値にして約16億5000万ドルにのぼる。関係者によると、本件はインドの『国防調達手続き』の『グローバル調達』に当たる。日印双方の国防担当者は、今月上旬に交流していた。日本の中谷元防衛相はインドのパリカール国防相の招待に応じ、インドを訪問した。双方は7月14日、ニューデリーで長官級会談を行った。インド高官によると、調達計画は正式決定の数ヶ月前に、兵器調達委員会に提出されるという。日本側はさらに、価値にして貿易額の30%にのぼる求償貿易条項に署名する。
インド政府はUS-2を調達するため、長年に渡り日本政府と交渉を重ねてきたが、現在も実現には至っていない。日本経済新聞は11月6日のトップ記事で、インド国防省がUS2を12機購入する方針を固め、日印首脳会談で覚書に署名すると報じた。ところが11日の首脳会談では、上述した内容についてまったく言及されなかった。日印共同声明も「US-2を中心とする防衛装備の提供に関する日本側の態度に感謝する」とするに留まった。
今回の会談はメディアによって事前にスクープが伝えられていたため、両国の交渉がついに成功かと思われたが、失敗に終わるとは予想外だった。外務省当局者は「インドは現地生産など実現が困難な要求を出した。しかし安倍首相は何も知らず、自分がトップクラスのセールスマンであり、すぐに解決できると感じていたようだ。余りにも能天気すぎる、法整備しても何の効果も発揮しないことは明らかだ。経産省の職員は先ほど安倍首相を公然と批判し、実現できるはずがないと述べた」と話した。
日本は今年4月、豪州の潜水艦調達プロジェクトの受注を逃した。これは安倍首相がそうりゅう型潜水艦の性能を過信し、豪州側の潜水艦に対する需要を理解できなかったためと批判された。防衛省当局者は「(安倍首相が)目先の利益を得ようと焦り、でたらめにセールスしたためだ」と述べた。今回のUS2の失敗も、安倍首相の独りよがりによるものだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月29日