王毅外交部長の招きを受け、日本の岸田文雄外相は、2016年4月29日から中国への3日にわたる公式訪問を行った。2012年末に安倍晋三首相が2度目の政権を発足して以来、日本の外相による初めての公式訪中となった。2011年11月に前任の玄葉光一郎外相の訪中から4年半が経過していた。
2016年4月30日、国務院の李克強総理は北京中南海の紫光閣で、訪中した岸田文雄外相と会談した。李克強総理は、「健全で安定した長期的な中日関係を発展させることは、両国と両国民の根本利益にかない、地域と世界の安定と繁栄に利する。ここ数年、中日関係は回り道をしたが、両国関係には現在、改善の傾向が見られる。ただその土台はまだ脆弱で、双方は、責任感をもって中日関係の正しい方向をつかまなければならない。中国側は、『歴史を鑑として未来に向かう』の精神で日本側とともに努力し、政治的な相互信頼を増進し、両国関係の正常な発展軌道への復帰を推進することを望んでいる」と語った。
李克強総理は、「中日国交正常化の政治的な土台にかかわる原則問題を動揺させることはできない。日本側が、平和発展の道を堅持し、『中国の平和的発展はチャンスである』という立場を実際の行動に移し、積極的な対中政策を行い、双方が困難を経て達成した『4つの政治文書』を守り、両国関係に根本的な影響をもたらす敏感な要素を適切に処理し、中日双方の対話協力メカニズムの着実な回復と中日韓首脳会談の開催に有利なムードを作り、国民感情の改善や民間の相互理解の促進により一層取り組むことを希望する」と述べた。
岸田文雄外相は、「日本側は、日中の『4つの政治文書」の精神にのっとり、『互いに協力パートナーとなり、互いに脅威とならない』という共通認識を堅持し、中国側と相互に尊重し、相互信頼を増進し、相違をコントロールし、両国のこれまでの指導者が切り開いてきた日中関係のさらなる前進に努め、未来に向かう日中関係を構築することを望んでいる。日本側は、中国側による経済構造改革の推進措置を心から賞賛し、中国との各分野での協力を強化し、日中関係の発展に前向きな要素を積み上げていくことを願っている」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月