ロシアのプーチン大統領は15日から16日にかけて、招きを受けて日本を訪問する。日本の安倍晋三首相はこれを契機に日本とロシアの領土問題で壁を突破し、ロシアを丸め込んで、中国への包囲を強化することを望んでいる。だが、外交カードが限られ、日本は地縁政治による束縛から脱却できず、中国とロシア関係の基盤を揺るがすことは困難でもあり、思惑は期待外れになると予想される。
訪日前に、プーチン大統領はロシアと日本との間に領土紛争は存在しないが、日本が一方的に両国に領土問題が存在すると認識しているに過ぎない、と日本側に伝えていた。ロシア高官も双方は重点を商業貿易交流に置くことが望ましいと日本側に警告した。
安倍政権がロシアを丸め込むもう一つの意図は中国に対する包囲の強化だ。
しかし、ロシアにしても、東南アジア諸国にしても、中国と緊密な経済貿易関係を維持し、協力の空間が広がっている国ばかりだ。これらの国は外交と安全保障戦略において、自国の方針があり、日本が私欲を追求するための将棋の駒にはならない。
地縁政治の構図を見ると、プーチン大統領の訪日を招待しても、日ロ関係の深層の矛盾を解決することは難しい。領土問題以外にも、ロシアは日本の修正主義の歴史観、右翼化傾向、地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の導入計画などに強く警戒している。日本の力を借りて、極東地区の開発を加速することを望んでいても、ロシアが領土問題で妥協することは不可能であり、両国関係は実質的に壁を突破し難いと見るべきだ。
自己アピールを急ぐ安倍政権は、近年の外交分野で失点が増えている。自分の利益を図るために災いを人に押しつける外交構想では、日本が真の意味で隣国に信頼され難いことは確かだ。「ロシアを丸め込んで中国を包囲する」画策は片思いの愚かな妄想に過ぎない。
「新華網日本語版」2016年12月17日