BBCは19日、「日本のアニメ、なぜ中国で好評か」と題する記事を掲載した。要旨は下記の通り。
日本のアニメ映画『君の名は。』は、中国映画市場で最大の成功を収めた日本映画となった。有名なスターや高額なスタントを使っているわけでもないものの、中国での公開以来、高額の興行収入を叩き出している。その原因とは何か?
映画ファンは「言葉にならないほど美しい映画で、ひとつひとつのショットがまるで絵画のようだ」と述べた。しかし現実逃避を求める中国の若者たちには、若かりし頃の青春時代を思い出させる点が魅力的だったのかもしれない。
専門家のパピシュ氏は「これは映画ブームをけん引している、いわゆる『90後』と呼ばれる1990年代生まれ、可処分所得が一番大きいこの層をターゲットにしている。中国で人気が高まりつつある若年層のサブカルチャーにも当てはまる」と指摘した。
2億人の若い消費者のおかげで、中国の若年層向けエンターテインメント市場は急速に拡大している。市場規模は今後数年のうちに、5000億元に倍増する見込みだという。
今の中国は今までになくハリウッドへの出資を拡大しているが、ハリウッド以外の映画をもっと受け入れられる状態にまで、中国市場は熟してきたとパピシュ氏は語る。中国の消費者は、ファッション、旅行先、購買習慣において国際的なテイストを求めている。ならば、映画市場もこれに違わない理由はないというのだ。
ただし、ひとつはっきりしている。日本アニメの中国での成功は、保証されているわけではないのだ。今年中国で公開された日本映画11本のうち9本がアニメ作品だったが、興行収入が2000万ドルを超えたのは3作品だけだった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月21日