蒋豊
普通の日本人にとって、古から続く皇室は神秘的な存在である。しかしこの数年、皇室も徐々に開放的になってきた。特に明仁天皇が昨年8月に「生前退位」の強い意向を示すおことば(ビデオ)を発表して以来、皇室は人々の注目を集めている。日本の皇室はどんな仕事をし、どんな日常を送っているのだろうか。
忙しすぎる毎日
日本では、天皇も出勤する。毎朝9時半、「御用車」が天皇の住む赤坂御所に迎えにやって来る。その後、皇居にある天皇執務室「菊の間」まで天皇を送る。天皇はそこで様々な書類に目を通す。サインが必要な書類には、天皇自ら「明仁」の2文字を書く。天皇の認証が必要なときは、「認」という印鑑を押す。天皇が採決した書類は「可」の印鑑を押す。天皇が確認した書類には「覧」の印鑑を押す。「御璽」や「国璽」を押す必要がある場合は、侍従が隣の部屋で押す。なぜならそれぞれ3.5キロもあるからだ。
毎週火曜日と金曜日は内閣会議を行う日である。会議が終わると、閣議書類が送られてくる。そのためこの2日間が天皇にとって最も忙しい日になる。毎日の正午12時、天皇は赤坂御所に戻り食事をする。そこから2時までが休憩時間だ。その後はまた公務に戻る。時間までに終わらなかった仕事は、赤坂御所に持ち帰って“残業”する。統計によると、天皇は年間平均1200件の書類にサインし、200人と会見する。宮内庁の統計によると、明仁天皇の会見公務は天皇の仕事全体の47%を占める。
訪問と祭祀も明仁天皇の仕事である。宮内庁によると、父親の裕仁天皇と比べて明仁天皇の仕事量はかなり増えている。外国の政治家や大使と会見する回数は裕仁天皇の1.6倍、赴任した大使や帰国する大使との会見は裕仁天皇の4.6倍、東京と地方での活動参加回数は2.3倍になっている。
財テクで家計を助けたことも
著名な記者である森暢平氏は著書『天皇家の財布』は、日本の皇室の豪華な生活を明らかにしている。本書によると、皇室関連の予算は主に「宮内庁費」と「皇室費」に分けられる。皇室費には「内廷費(天皇、皇后、皇太子一家の生活費)」、「宮廷費(公務活動費)」、「皇族費(その他皇族の生活費)」がある。2013年の内廷費は2億2400万円で、天皇の次男である秋篠宮一家5人の皇族費は6100万円。これは内廷費の5分の1にあたる。