安倍氏の4カ国歴訪、地政学的「中国包囲網」を張る

安倍氏の4カ国歴訪、地政学的「中国包囲網」を張る。

タグ: 安倍 中国包囲網

発信時間: 2017-01-17 13:35:23 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本の安倍晋三首相は、アジア太平洋4カ国歴訪の旅を開始した。フィリピン、インドネシア、豪州、ベトナムを訪問する。日本と4カ国の関係には親しさの差があるが、確かに合致する利益がある。そのため新年早々の4カ国歴訪の目的は単純ではなく、中国に対抗する地政学的な包囲網を張ろうとしている。

オバマ時代が間もなく終わろうとしている。安倍首相はオバマ大統領という、最も信頼できる戦略的盟主とパートナーを失う。トランプ時代も反中的な傾向が明らかだが、トランプ氏は日本に対しても功利主義的な策を講じる。この状況下、安倍首相は不測の事態に備え、トランプ氏と交流すると同時に、TPPを単独で支えるリーダーとしての責任を持ち、安保面の支出を拡大しようとしている。

アジア太平洋諸国にも、根本的な変化が生じている。フィリピンのドゥテルテ大統領は中国との関係を改善し、南中国海問題で二国間の解決の道を貫いている。中越関係には問題が存在するが、ベトナムは政治と経済の両面で中国に依存している。インドネシアは東南アジアの大国で、独立した自主的な外交路線を歩んでいる。中日両国に対しては、主に経済面のバランスを求めている。豪州と日本は、米国の「アジア版NATO」の主要メンバーだ。豪州は地政学的にも米日の中国対抗に協力しているが、中国との経済関係はより緊密だ。TPPが終了に直面しており、豪州は中国が地域経済一体化のリーダーシップを発揮することに期待している。

そのため包囲網の形成は容易ではない。しかし何はともあれ、安倍首相はすでに中国対抗の急先鋒になっており、ロシアや東南アジア諸国での外交活動でも、中国対抗を隠そうとしていない。しかし安倍首相が手にした収穫は、期待通りではなかった。安倍首相から贈られた経済貿易のプレゼントはすべて受け取っても、中国対抗の提案に真正面から賛同した国はない。地域諸国は中国との間に、主権やその他の利益の対立があるが、国際関係が求めるのはウィンウィンだ。中国は世界2位の経済国でもある。特に欧米世界に孤立主義が生じるなか、中国という世界最大の貨物貿易国は、地域諸国の経済成長に対して尋常ならざる意義を持っている。

安倍首相の初の訪問先はフィリピンで、1兆円の投資を予定している。ドゥテルテ大統領はすべての援助を受け取り、かつ安倍首相を手厚くもてなした。しかし安倍首相が関心を寄せる南中国海問題については、「法の支配」に基づき係争を処理する共通認識を形成するにとどまった。ドゥテルテ大統領が安倍首相と共に、反中協奏曲を奏でることはなかった。

安倍首相はその後の訪問でも中国脅威論をアピールし、かつ3カ国との中国対抗の共通認識を拡大することになる。日本とベトナムが南中国海問題で一定の共鳴を示すことが予想される。インドネシアも日本の力を利用し、東南アジアの大国の「不同」を際立たせる。日本が収穫を手にできるのは、おそらく豪州だろう。両国の地政学と価値観は一致している。しかし豪州は西側諸国の本能に基づく地政学的立場を示しており、日本のような功利的な中国対抗ではない。そのため豪州は単純に南中国海の態度を表明し、アジア太平洋で中国に対抗する態度を貫くが、日本に利用され駒になることはない。

日本の4カ国歴訪が期待通りの成果を手にすることはないが、自分を慰めることならばできる。これはトランプ時代の日本の焦り、安倍首相の恐れを際立たせている。中国が警戒すべきは、トランプ時代のアジア太平洋戦略がより乱暴になり、日本に利用されることだ。このような中国をけん制する米日の協力は、オバマ時代の戦略的な中国けん制よりも恐ろしく、危険だ。

不穏な空気が漂っている。トランプ氏が次期国務長官に指名したティラーソン氏は、「中国は南中国海で建設する島礁への立ち入りを禁じられるべき」と暴言を吐いたばかりだ。ティラーソン氏は、中国の建設はロシアのクリミア併合のようなものだと強調した。これは明らかに、安倍首相が聞きたかったことだ。そのため安倍首相とアジア太平洋4カ国の馴れ合いよりも、トランプ氏とどのような反中同盟を構築するかの方が、中国にとっては関心に値する。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月17日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。