ア太歴訪で南中国海問題を煽る、安倍氏の期待通りにはならず

ア太歴訪で南中国海問題を煽る、安倍氏の期待通りにはならず。

タグ: ア太 安倍 南中国海

発信時間: 2017-01-18 13:34:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本の安倍晋三首相は17日、フィリピン、豪州、インドネシア、ベトナムの歴訪を終え、帰国した。安倍首相は訪問中、南中国海問題の扇動に全力を尽くし、さまざまな手段により訪問先を抱き込もうとした。

アナリストは、安倍首相の訪問の主な目的は中国けん制であり、同時に日本の存在感を高め、間もなく就任するトランプ氏による米政権との交渉に備える狙いがあったと指摘した。しかし日本自身の能力にせよ、関連国の反応にせよ、安倍首相の狙いは実現が困難に見える。

南中国海問題を煽り、中国をけん制

今回は安倍首相の今年初の外遊となった。安倍首相は訪問前、今年の「地球儀を俯瞰する外交」の始まりと位置づけていた。日本メディアは報道の中で、関連国とのコンセンサスと協力を強化し、南中国海でいわゆる「軍事拡張」を行う中国をけん制することが目的とした。

安倍首相はすべての訪問先で南中国海問題に言及し、いわゆる「海上安全」「航行の自由」「法の支配」の原則を強調した。安倍首相は16日にベトナム・ハノイで開かれた記者会見で、今回の訪問を総括した際に、関連国とこれらの原則について「完全に一致」したと述べた。

上述した目的を達成するために、安倍首相は東南アジア3カ国を訪問中、経済援助というエサをまいた。フィリピンでは1兆円、インドネシアでは740億円、ベトナムでは1174億円の経済援助もしくは円借款の供与を約束し、3カ国のインフラ改善を促すとした。

安倍首相は豪州訪問中、改正後の「物品役務相互提供協定」に署名し、弾薬を提供可能にした。日本メディアによると、日本は中国をけん制するため、豪州を準同盟国と位置づけ、防衛協力を強化するという。

存在感をアピール、米国に圧力をかける

安倍首相は16日の記者会見で、アジア太平洋の平和と繁栄の実現には、米国の努力が不可欠だと述べた。日本と関連国はこの認識に基づき、緊密に連携を続けることで合意したという。安倍首相はまた、トランプ次期米大統領の就任後、首脳会談を早期実現したいと述べた。

フィリピンと豪州も米国の同盟国だ。安倍首相は両国を訪問中、米国の重要性を論じた。特に豪州ではターンブル首相と、日米・米豪同盟のアジア太平洋における重要性を確認し、さらに日豪は米新政権の発足後も米国との力強い協力を続けると表明した。日本メディアによると、これは日豪両国の「外交・経済政策が不明瞭な」トランプ新政権に対する「強いシグナル」だ。

トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)離脱を明言しているが、安倍首相は挽回に力を入れている。安倍首相はTPPを積極的に推進しており、この自由貿易協定で中国を省くと同時に、日本に利益をもたらそうとしている。同じくTPP加入国の豪州とベトナムで、安倍首相は両国首脳と同協定の早期発効に向け協力を強化することを確認した。

アナリストは安倍首相の上述した動きについて、「アジア太平洋諸国との『団結』を確認することで自国の存在感をアピールし、地域のリーダー・代弁者になることで、トランプ政権誕生後の交渉で発言権を手にし、トランプ氏を説得するチャンスを増やすことが狙いだ」と分析した。

限りある成果、期待通りにならず

安倍首相は訪問中、4カ国を抱き込もうとあの手この手を尽くしたが、実質的な成果は限定的であり、最終的には目的達成が困難だと分析されている。

まず、日本国内が不景気で、財政難に陥っており、巨額の海外援助を支えることは困難だ。安倍首相が約束した援助のうち多くが民間投資となっているが、これは市場の行為であり実現できるかは未知数だ。

次に、訪問先にはそれぞれの国益があり、日本の利益のために犠牲になることはない。東南アジア諸国も豪州も、中国と密接な経済貿易関係を持つ。中国との間に一定の食い違いがあっても、中国との対抗は望んでいない。

先ほど南中国海仲裁案を起こしたフィリピンだが、ドゥテルテ大統領は就任後に態度を変え、中国との関係の発展に力を入れている。安倍首相のベトナム訪問前、ベトナム共産党のグエン・フー・チョン中央総書記が中国を訪問した。中越両国は14日に共同コミュニケを発表し、「海の齟齬を適切にコントロールし、情勢を複雑化させ、係争を拡大させる行動を慎み、南中国海の平和と安定を維持する」と表明した。

豪州でも、南中国海問題に理性的に対処する声が上がっている。ポール・キーティング元首相は13日、豪州は米国の南中国海における、中国を念頭に置く共同行動に加わるべきではないと述べた。

それから、トランプ氏は安倍首相の期待通りに政策を変えることはない。安倍首相は先ほどトランプ氏と会談した際に、日米同盟の重要性を確認し、TPPの関連政策を変えるよう説得を試みたが、結果は出なかった。トランプ氏はむしろ安倍首相との会談から数日後、就任後直ちにTPPから離脱すると表明した。安倍首相は面目丸つぶれになった。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月18日

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