日本の安倍晋三首相はこの1週間で、フィリピン、豪州、インドネシア、ベトナムの4カ国を歴訪した。安倍首相は2つの印象を与えた。まずは「どこでもバラマキ」で、東南アジア3カ国に1兆円、740億円、1200億円の援助を約束した。それから、「どこでも南中国海に言及」だ。各国の反応にも、2つの特徴が見られる。まずは援助への歓迎で、次に南中国海の議論に消極的だ。各国はあっさりと触れるにとどまり、この日本の首相をあしらった。
海外メディアの報道を見ると、安倍首相は今や中国に対抗し米国に媚びるという、2つのことしかやっていないようだ。数年前にはまだアベノミクスについて論じる人もいたが、今やそのような人はいなくなった。日本全体が「中国の脅威」に対抗するため生きているかのようだ。そこで安倍首相は国内で新たな安保法の可決を急ぎ、米日同盟を強化する一方で、東南アジア諸国を何度も訪れ、米日とともに中国けん制の統一戦線を築くよう説得している。
中国はそれほど恐ろしいのだろうか?フィリピンは日本よりよほど弱いが、ドゥテルテ政権は安心し、友好的協力を両国関係の主軸としている。中国とベトナムの領土問題もコントロールされており、両国の意思疎通は非常にスムーズで、経済貿易協力の将来性も高い。南アジアの大国であるインドは、中国との間に領土問題を抱えており、地政学的に中国を警戒している。しかし両国関係は長年に渡り正常に推移しており、コントロールを失い暴発したことはない。
日本の危機感が極めて異常であり、日本のある種の内在的な原因により極度に誇張されていると言うしかあるまい。安倍政権は中国の脅威を処理するプロフェッショナルになっており、日本の外交の中心を中国対抗に調整している。これは安倍首相ら日本の政治エリートの、ヒステリックな偏執狂が国家政策に転じた結果だ。
この世界には、安倍政権と中国の脅威への対抗という、極端なゲームを楽しもうとする国はない。各国にはより正常な国際観と日程表がある。中国の台頭に一時的に不慣れで、懸念している国もあるが、この感覚と中国と健全的な関係を維持する重要性のバランスをとることができる。
中国と全面的に対抗する外交政策を続ければ、日本は東アジアで孤立を深めるばかりだ。日本は意地を張り、中国包囲の進展を虫眼鏡を使い見つけ出しているが、その圧倒的多数が自身と他者を欺くものであり、現実的な価値などない。南中国海でこれほど長く頑張ってきたが、中国を包囲できただろうか。日本と台湾は小賢しい真似をし、どのような影響力のある駒を手にしたというのだろうか。
日本は近年、視野がますます狭くなっていると言わざるを得ない。日本は戦略を支える勢力ではなく、トラブルメーカーになっている。日本はマイナスの姿勢で自国の存在感をアピールしている。中国の何に対抗するのかが注目されているのであって、建設的な能力を拡大していることが注目されているのではない。
さらなる衰退により、一部の日本人はかつてロシアを破り、中国を侵略し、米国に挑戦した日々を懐かしむようになるだろう。これが普遍的な意識になれば、この国は本当におしまいだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月18日