福島原発から一キロの現場を取材(三)「見捨てられ」た農民 「精神的な苦痛」味わう漁師

福島原発から一キロの現場を取材(三)「見捨てられ」た農民 「精神的な苦痛」味わう漁師。 海に近い福島県はかつて、漁業が栄え、米と並んで魚の生産地として知られていた。福島第一原発がある双葉郡も、日本では有名な鮭の産地だった。原発事故後、同地区の水産業は深刻なダメージを受けた…

タグ: 福島 原発 農民 漁師

発信時間: 2017-02-27 11:14:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

まもなくやって来る3月11日は、東日本大震災から6年の記念日にあたる。この災害がもたらした傷は今になってもふさがってはいない。何万人もの日本人が親しい人を失い、故郷を離れなければならなかっただけではない。福島第一原発の放射能漏れ事故という、これからも長期にわたって直面しなければならない禍の種を植えてしまったのである。それから6年が経過し、日本政府は現在、「福島は非常に安全だ」と繰り返している。彼らは言うには、原発から半径80キロ以内の放射線量は去年10月までに、71%低下した。福島県福島市の大気の放射線量はロンドンと同等で、特に問題はない。だが日本のメディアからは、これとはまるで食い違う情報も出て来る。

原子炉格納容器内でロボットが相次いで“犠牲”になった。駐日外国公館の一部は警告を発している。こうした状況の下、人々はこう問わざるを得ない。日本政府の言っていることは果たして信じられるのか。日本には「前科」もある。東電はかつて真相を隠していた。日本がどれだけの放射性汚染水を海に放出したか、今になっても誰もわからない。環球時報記者はこのほど、こうした多くの疑問を抱いて福島県を徹底取材し、真相に迫った。

1.皮膚はかゆく、喉は渇き、肺にも違和感

2.「数年経って何か起こっても、長生きしたのが悪いと我々を責めるのではないか」

3.「見捨てられ」た農民 「精神的な苦痛」味わう漁師

海に近い福島県はかつて、漁業が栄え、米と並んで魚の生産地として知られていた。福島第一原発がある双葉郡も、日本では有名な鮭の産地だった。原発事故後、同地区の水産業は深刻なダメージを受けた。

環球時報記者の調べによると、福島の漁師は約1千人。被災前の漁船と漁獲高に応じた賠償金が東電からそれぞれに支払われており、生計を立てるのに大きな問題はない。だが地元の漁師にとってつらいのは「精神的な苦痛」だという。漁師が魚を捕るのは、生活の糧を得るためだけではない。海に出ることが生きがいなのである。だが今は、漁網を編み、実験用の魚を捕るだけで、おもしろくない。かつてのような漁の生活に戻るには少なくとも10年かかると言われるが、その頃、彼らの多くは60代、70代になっている。

「福島県の漁獲高は震災前とは比べ物にならないほど落ち込んだ」。福島県漁業協同組合連合会指導部職員の沢田忠明氏によると、事故発生後、福島県の海で捕れた魚貝類に放射性物質が検出されたことを受け、日本政府は44種の海産物の出荷制限措置を取った。だが状況が好転している。今年1月からは海産物の制限品目が12種に減り、「今後は全面解禁の望みもある」という。解禁は早すぎるのではないか。沢田氏はこの問題に、次の二つの説明で答えた。第一に、海洋の生物は、自らの新陳代謝によって、体内の放射性物質を排出することができる。第二に、汚染水が太平洋に流れ込んだのは確かだが、海洋には自浄能力があり、生態環境は回復する。

この説明はどれほど信用できるのか。広東海洋大学の張建剛教授によると、その根拠は薄弱と言わざるを得ない。張教授の分析によると、海洋生物の新陳代謝の問題では、「どれだけの放射線量を浴びたのか」という重要な前提が無視されている。福島原発事故の放射線量を考えれば、被ばくした魚類がすべての有害物質を排出できたとは考えにくい。また海洋には自浄能力があることは確かだが、汚染水が毎日排出されれば、海洋の自浄能力での回復には限界がある。

記者の現地での取材によれば、生計を立てるという問題に本当に直面しているのは農民である。福島県の耕地面積は日本で6番目に大きく、農業は支柱産業だった。東電による農民への賠償金支給はあと数年で終了する。福島の農産物をどこで販売するのか、汚染を受けて収穫の見込めない土地をどう処理するのかを考えると、農民は今後、どうやって生計を維持していくのかには不安を感じざるを得ない。日本の東洋経済誌はかつて、「見捨てられる福島の農家」についての記事を掲載している。

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「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月27日

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