19日付読売新聞は日比外交筋の話として、フィリピンのドゥテルテ大統領が6月上旬に日本を訪問する方向で調整に入ったと伝えた。実現すれば、ドゥテルテ氏が大統領として訪日するのは、昨年10月に続き2度目。中国との関係が急速に回復するなか、短期間内に日本を再訪するのは、中日両国とのバランスを取るためだ。
ドゥテルテ大統領は訪問中、日本の安倍晋三首相と会談し、東京で講演を行う予定だ。首相との会談は今年4度目となる。読売新聞によると、南中国海問題が議題になる可能性がある。ドゥテルテ大統領が前回訪日した際に、双方は首脳会談で中国の南中国海における建設をめぐり、南中国海問題の「法の支配」の重要性を確認した。朝日新聞によると、日本は今年ASEAN議長国のフィリピンと、中国の海洋活動について再び意見交換することを検討中だ。
朝日新聞は特に、ドゥテルテ大統領の訪日の時期が、中国の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)国際協力サミットフォーラム後に設定されていることに言及した。日本政府内からは、ドゥテルテ大統領は日中と良好な関係を維持しようとしているという声が上がっている。日本経済新聞は、ドゥテルテ大統領はバランスを取るため苦心していると伝えた。日中はフィリピンへの影響力拡大を狙い、相次ぎ経済支援を約束した。ドゥテルテ氏には経済支援の具体化や着実な実行へ首脳外交を通じて念押しする思惑もある。
ドゥテルテ大統領が2度目の訪日を計画するなか、安倍首相もフィリピン再訪を検討中だ。19日付日本経済新聞によると、安倍首相は11月、フィリピンのASEAN首脳会議に出席する。前回のフィリピン訪問は今年1月、これほど頻繁な交流には、双方の親密な関係をアピールする狙いがある。読売新聞によると、ドゥテルテ大統領は中国以外に、ロシア訪問を予定している。日本はフィリピンとの関係強化により、中ロ両国への歩み寄りを阻止しようとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年4月22日