福島原発事故に伴う除染で生じた土の再利用を目指している日本の環境省は17日、福島県南相馬市小高区の仮置き場で進めている実証試験を報道陣に公開した。実証試験は再利用の安全性などを確認する狙い。放射性物質を飛散させないように細心の注意を払いながら、作業が進められていた。
除染土はまず保管用袋から取り出され、異物を除去するふるい機にかけられる。放射性セシウムの飛散防止のため、作業はテント内で行われていた。現場には、放射線量の測定機器も設置されていた。
セシウム濃度1キロ当たり3000ベクレル以下の汚染土をふるい出し、かつテントの外で遮蔽のための土で多い盛り土の造成作業を行う。
盛り土の造成作業は7月末までに終了を予定している。環境省は周辺の放射線量及び浸透後の水中の放射性物質濃度を、1年以上かけて調べる予定だ。さらに風雨などの影響を調べ、データを収集する。
環境省は福島県の大量の除染土を減らすため、セシウム濃度1キロ当たり8000ベクレル以下の土壌を、公共事業に用いることを決定した。今回の試験は、安全性を確認することで、全国の地方自治体の理解を求める狙いがある。
伊藤忠彦副環境相、桜井勝延南相馬市長も当日、現場を視察した。再利用を前向きに検討する桜井市長は視察後「試験結果を踏まえた上で、住民の理解を得たい。またその他の地方政府も、再利用に理解を示すことに期待する」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月21日