工業化生産して商品化へ 「味を保てるかが心配」
注文が増えるにつれ、自分で作るだけでは、その需要を満たすことが難しくなった。そのため、昨年、余さんは日本でできた人脈や友人を通して投資してくれる人を探し始め、幸いなことに、すぐに協力してくれる日本の会社を見つけることができた。その会社は椒麻鶏を作る工場を新たに作り、開発に参加するよう余さんを誘ってくれた。
「今やっているのは、四川の味と日本の食材を組み合わせるやり方。中心となる調味料は全て成都から取り寄せている。作り方や味付けは僕が決め、それをデジタル化管理して、工業化生産する。現在、サンプルを現地の食品当局に提出して検査をしてもらっている。新商品を今年8月に発売できる予定。商品名は『辣鶏』で、タレにすることもできれば、おやつ替わりにしたり、ご飯にかけて食べられるようにしたりもできる」という。
「椒麻鶏」の商品化がもう少しで実現する。ただ、余さんが今最も心配しているのは、工業化生産しながらどのように本場の味を保つかで、「それは本当に難しいこと。味の基準が必ず必要で、ギャップが大きくてもだめだし、本場の味が強すぎてもいけない」。
「今やっていることが、中国の味を海外に進出させたり、中国の美食文化を海外で発信したりすることになっているのかは分からない。四川料理を世界に進出させるとか、そんな壮大な目標を掲げているわけではなく、みんなに楽しい気持ちになってもらえる味の商品を生産したいだけ。辛いものを食べない人にも、それを食べて楽しんでもらいたい。好きな写真のほかに、『椒麻鶏』もうまく軌道に乗せることができればうれしい」と余さん。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年6月14日