そして、その場で対決が始まり、湯さんが沸騰したお湯を日本の仏像に掛けると、しばらくして、仏像の表面の金が剥がれ落ちてしまった。一方、湯さんの仏像はお湯をかけても何の反応もなかった。
「日本の仏像には金ペーストが使われている。日本の仏像製造技術は最先端であるものの、天然の材料ではないため、化学反応が起きてしまう。それに対して、天台県の仏像に使われているのは天然の材料。仏像を椒江区の海に数年間つけておき、その後きれいに洗ってもピカピカになる。私たちの技法で作ると、腐食することはなく、長期にわたって保存できる」と湯さん。
伝統技法で仏像を作る湯春甫さん 過去には日本の仏像と対決も (2) 人民網日本語版 2017年06月16日10:12
千年以上受け継がれて来た技法も後継者が問題
現在、故宮博物院のほか、英国の大英博物館、カナダ・トロントの美術館であるマクマイケル・カナディアン・アート・コレクションなど、世界の有名な博物館も、競って湯さんの作品を収蔵している。
しかし、湯さんの心配の種は、乾漆夾苧技法の後継者問題で、「私の、第一陣、第二陣の弟子はみんな退職してしまった。第三陣、第四陣の弟子も40代。今の若者のうち、学歴のある人はこの技法を学ぶことに興味を示さないし、学歴がないと学ぶのは難しい。このような工芸品は、将来は博物館でしか見ることができなくなるのではと心配している」と話した。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年6月16日