実は、この料理店は、プレオープンイベントとして6月3日と4日だけ開催された「ポップアップレストラン」だ。
このイベントを企画したのは、テレビ局ディレクターの小国士朗さん。4年前、認知症介護のプロのドキュメンタリー番組を作っていたときに経験した、ある「間違え」がこのイベントのきっかけという。番組の舞台となったグループホームで生活する認知症の人たちは、買い物も料理も掃除も洗濯も、自分ができることはすべてやっていた。ある日、聞いていた献立はハンバーグだったのに、餃子が出てきたことがあり、「あれ?今日はたしかハンバーグでしたよね?」と言いたい気持ちがこみ上げてきたものの、認知症を抱えていることを考えて、怒るのではなく寛容さを示すことにしたという。
高齢化社会に突入している日本では、認知症患者が年々増加している。周りの人や自分が、認知症になる可能性も十分にある。「法律や制度を変えることももちろん大切だけど、私たちがほんのちょっと寛容であることで解決する問題もたくさんあると思う」と小国さん。
また、小国さんは、「間違えることを受け入れる、間違えることを一緒に楽しむという価値観をこのレストランから発信できれば」とした。実行委員会によると、資金の問題から、今回は2日のみの開催となったものの、今後クラウドファンディングなどで資金を集め、9月をめどに1週間程度の期間で本オープンしたいということだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年6月22日