前出実験室の室長で、華東師範大学体育・健康学院の院長である季瀏氏によると、 「身長が高いといっても、中国の児童・青少年の体質・健康状態が日本を上回っていることを示しているわけではない。体格指標は人の体質を示し、体質や健康の要素の一つにすぎない。それに、データは、中国の児童・青少年の過体重・肥満率は日本より高いことを示している。もっと注目すべき点は、基礎体力指標が全体的に低く、中国の学校には、知識を重視し、体育を軽視するという問題が依然として存在している点だ」と指摘している。
名古屋学院大学の中田貴博教授によると、「日本の児童の身長はここ30年ほとんど変化していない。00年まで肥満の児童が少し増加したが、00年以降はその数はほとんど変化しておらず、逆に痩せている児童が増加し続けている。基礎体力の面を見ると、1985年をピークに、ここ30年は明らかに数値が下がっている」。その原因について、中田教授は、学校以外の家庭や社会環境が、日本の児童・青少年の体質・健康に影響を与えるほどの軽視できない要素となっていると分析している。例えば、70年、日本の小学生の就寝時刻は夜9時07分で、起床時刻は早朝6時30分だったものの、36年後には、就寝時刻が夜9時42分に、起床時刻は6時42分になったというデータがあり、最近はこの傾向には歯止めがかかった。しかし、テレビゲームや携帯ゲームで遊ぶ子供が増加しており、3歳から小学校6年生の子供を対象に行われた調査では、3歳児の30%、4歳児の50%がテレビゲームや携帯ゲームで遊んだことがあった。その他、小学校高学年のほとんどの子供がテレビゲームや携帯ゲームで遊んでおり、遊ぶ時間は学年が上がるにつれ増加している。幼稚園児でも、テレビゲームや携帯ゲームで遊ぶ時間は1日平均約50分となっている。 その一方で、テレビゲームや携帯ゲームをするために犠牲になっているのが、外で運動する時間だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年6月28日