欠陥エアバッグのリコール問題で経営状況が悪化したタカタは26日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。各自動車メーカーが肩代わりしているリコール費用を含め、タカタの負債総額は約1兆7000億円にのぼり、日本の製造業としては最大規模の破産となった。
タカタの破産申請により、米日の多くの自動車メーカーは、欠陥エアバッグのリコールと賠償を肩代わりすることになる。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米国でのリコール範囲は2019年末までに、4200万台の7000万個に拡大する。現在の範囲は約4600万個。日米を合わせ、約4000万個の欠陥エアバッグがいまだ回収されていない。米運輸省高速道路交通安全局のデータによると、修理済みのエアバッグは5月26日現在、最終的なリコール数の約5分の1のみとなっている。
今回のリコールは米国で市場最大規模の自動車安全行動で、BMW、テスラ、フォード、ホンダを含む19社の自動車が含まれる。
各メーカーが未回収のエアバッグも計算に入れると、リコール費用は1兆3000億円に膨らむ見通しだ。タカタが米司法省と和解するため支払った金額は1750億円のみ。
日本の自動車メーカーは、タカタから代替品の調達を続けると表明した。各社は26日、東京証券取引所に提出した文書の中で、大半のリコール費用をタカタから回収できないことをほのめかしていた。