日本の政治に重要な影響を及ぼす東京都議選が、7月2日に始まる。日本の安倍晋三首相の重要閣僚である稲田朋美防衛相は27日夜、自民党候補の応援演説で、自衛隊として投票をお願いしたいと発言し、大きな波紋を起こした。野党は稲田氏に「即刻辞任」を求めている。
共同通信によると、稲田氏は27日夜、東京都板橋区で開かれた都議選の自民党候補を応援する集会で演説し「防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と訴えた。さらに「隣の練馬区には自衛隊の師団もある。何かあった時に自衛隊がしっかりと活躍できるのも地元の皆さま方の協力があって初めて(可能だ)」とも述べた。
自衛隊法は、自衛隊の政治的目的への利用を制限している。稲田氏の発言は、防衛省と自衛隊が自民党候補者を応援すると捉えることができる。自衛隊の政治利用は、法律に抵触する恐れがある。
稲田氏の発言は、野党から猛批判を浴びている。民進党の蓮舫代表は「防衛大臣として自衛隊を政治利用することは許せない。稲田氏は辞任すべきだ」と述べた。日本共産党の小池晃書記局長は「自衛隊の政治利用に何の恐ろしさも感じない人が防衛相を務めるのは言語道断だ」と述べた。
失言を意識した稲田氏は27日深夜、国会内で記者団に「(私の発言が)誤解を招きかねず、撤回したい……(中略)……防衛省と自衛隊だけではなく、政府機関は政治において中立であり、特定の候補者を応援できない」と話し、辞任を否定した。
ロイター通信によると、加計学園、森友学園の問題により、安倍内閣の支持率が急落している。稲田氏の問題発言により、安倍内閣は再び批判の渦に巻き込まれている。しかも本件は、非常に重要な東京都議選前でのことだった。自民党は今回の選挙で、苦しい状況に直面している。共同通信が24、25日に行った世論調査によると、小池百合子東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」と自民党を支持する有権者はいずれも26%前後で、公明党を含む「親小池」派が過半数の議席を占める可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月29日