米国のトランプ大統領就任後で初となる外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)が延期されることになった。「ティラーソン国務長官の都合がつかない」ことが理由とされているが、日本の防衛大臣の更迭との関連性も疑われている。
時事通信の4日の記事によると、外交・安全政策を中心的な議題とする2プラス2は隔年開催されている。日本の安倍晋三首相が2月に訪米した際に、トランプ大統領とまとめた初歩的な共通認識に基づき、今年の2プラス2は「早期実現」されることになった。具体的な日程は7月14日以降とされたが、日米は「一時見送り」を決定した。菅義偉内閣官房長官は3日、2プラス2について「現段階では何も決まっていない。早期実現に向け、米国側と協議を進めている」と述べた。
産経新聞によると、2プラス2の延期は米国の夏季休暇などと関連しており、日米は協議を通じ秋以降に延期する見通しだ。共同通信は日本政府筋の情報として、ティラーソン長官の日程調整が難航していることを、延期の原因として挙げた。報道によると、マクロン大統領は7月14日のフランス革命記念日軍事パレードにトランプ大統領を招待しており、ティラーソン長官も随行する予定となっている。米国側の原因の他に、日本の防衛相の更迭も関連している可能性がある。稲田朋美防衛相は失言を繰り返し、スキャンダルに巻き込まれており、厳しい状況を迎えている。これは自民党の東京都議選惨敗の原因の一つとされている。安倍首相は秋の臨時国会前の内閣改造を検討中で、稲田氏が更迭される可能性が高い。この状況下、日本側は2プラス2を内閣改造後に行うことで、新任の防衛相を出席させようとしている。
中国社会科学院日本研究所の盧昊副研究員は4日、環球時報のインタビューに応じた際に「2プラス2は日米最高クラスの政策調整であり、対外的に堅固な同盟関係を見せつける重要な枠組みだ。今年の2プラス2は開催される場合、引き続き朝鮮半島の安全情勢について議論し、中国の海洋活動にいちゃもんをつけ、日米同盟の一体化と分業を推進するだろう。トランプ大統領が就任してから2プラス2が開かれておらず、米国のアジア太平洋政策の変化が日本の外交の全局面に直接的な影響を及ぼすことから、日本には2プラス2に期待を寄せ重視する十分な理由がある。さらに安倍政権は国内の政治問題で支持率が低下しており、外交でポイントを稼ぐ必要がある。安倍政権は対米外交の担当者、議事日程、意思疎通の方法をより慎重に決定する」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月9日