電気自動車(EV)の国際競争力調査で日本が順位を落とし、中国がトップになった。中国はEVの普及を後押しし、新たな政府規制を導入することで日本車を「駆逐」し、日本企業の自動車産業における優位性をくつがえそうとしている。日本経済新聞が12日に伝えた。
中国が日本車の優位性を覆す?ドイツのコンサルティング会社ローランド・ベルガーと自動車研究機関fkaが共同で実施しているEV(PHVを含む)の国別競争力調査によると、今年の第1四半期に発表された結果では日本が1位だったが、第2四半期には中国が1位となった。2位は米国、3位はドイツで、日本はトップ3には入れなかった。
国際エネルギー機関(IEA)による調査でも、EV・PHVの累計台数は昨年、中国が65万台で米国の56万台を抜いて世界一になった。日本は毎年3万台前後で、産業・市場に大きな開きが見られる。
中国政府は減税や企業への補助、ナンバー取得などの優遇策により、EVの発展を積極的に促している。これにより中国は短期間内に、EV大国になった。中国政府は2018年に、完成車メーカーに一定の新エネ車の生産、販売を義務付けるが、米国カリフォルニア州の、走行中に排出ガスを一切出さないZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制にならった内容になるとみられる。日本企業が強いEVは含まれない。中国がHVを排除したのは環境対策という「錦の御旗」があればこそだが、日本車の優位を崩したいという思惑もある。これは日本企業の中国での市場シェアがさらに低下することを意味する。
自動車業界アナリストの彭琪氏は「中国の自動車市場は全世界に開放されており、すべての自動車メーカーを同一視する。日本車を省こうという説は成り立たない。全世界のすべての国が、自国企業に産業補助金を支給する。これは国際的な慣例であり、自国産業を繁栄させるため自国企業を支援することは問題ない」と述べた。
専門家:中国よりも日本が問題