21世紀に入り、別の前衛文化が池袋で根を生やし芽を出している。それは、「オタク文化」だ。具体的に言うと、東池袋3丁目で、秋葉原と違うのは、その地域は「腐女子の聖地」と称されている点だ。そこの消費の主力はオタクの女性だ。アニメ関連の商品は現地の観光業を牽引し、アニメを熱愛する外国人観光客はそこで自分の大好きなアニメ関連のお土産を見つけることができるだろう。
「腐女子の聖地」の向かいにあるのが東池袋中央公園で、そのすぐ近くに中国食品スーパー・陽光城がある。日本の繁華街にある公園としては、同公園は大きい部類に入る。公園には大きな木が立ち並び、春になると桜が咲き誇る。そして、秋は紅葉が美しく、多くの人でにぎわっている少し離れた公園の外と比べると、そこは全く別世界。そこでは、緑の木や池の景色を楽しみながら、ゆっくりと散歩することができる。公園の中では、ネコと人が仲良くしているシーンを見かけることもでき、それほどのどかな景色は公園の外では見ることができない。ここが東京拘置所の跡地であることなど誰も想像できないだろう。暗い歴史がそこでは完全に過去のものとなっている。
東池袋中央公園が最もにぎわうのは、月1ペースで開催されるコスプレイベントの時で、奇抜なファッションのコスプレイヤーでいっぱいになる。何かのキャラクターに扮してみたいという欲望は、もしかしたら誰の心の中にでも眠っているもので、誰の心にも自分とは違う自分がいるのかもしれない。16年10月に同公園で開催された「ハロウィンコスプレフェス」には、小池百合子東京都知事と豊島区の高野之夫区長もコスプレ姿で登場した。小池知事が扮したのは、漫画「リボンの騎士」の主人公・サファイアで、ステージに上がると「百合子!百合子!」の歓声が上がった。
在日華人が池袋を好むのは、交通の便がよく、文化が豊富で、異国の地のオアシスのような場所だからだ。数年前、在日華人が池袋に中華街を作り、名実伴う中国人の天下にしようという案があった。しかし、今考えると、横浜に非常に有名な中華街があるため、池袋にそれと同じうようなものを作る必要はない。実際には、池袋北口一帯はすでに「チャイナタウン」化しており、型にはまらない自由なムードがそこの良さだ。池袋が好きなら、そこを楽しみ、大切にすればいいのであって、自分の物にしてしまう必要はない。自分の愛する場所は、「学問」と見てそこに敬意を示さなければならない。実際には、池袋には現在、中華料理だけでなく、ベトナム料理やインド料理、タイ料理などもある。20年の東京五輪開催の風に乗り、池袋がアジアのグルメ天国になればそれほどよいことはなく、もちろん、中華料理は引き続き「ボス」としての地位を保たなければならない。
にぎやかで、型にはまらず、多彩で、包容力がある……。これが池袋の魅力で、日本のグローバル化や大衆文化を見てみたければ池袋に来るといい。池袋は「学問」の一つで、あなたも、そこから帰りたくなくなり、いつの間にかその学問に溶け込んでしまっているという日もくるかもしれない。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年7月14日