東京で最もオシャレで、大勢の人でにぎわっている青山の街を日本メディアの友人と一緒に歩いていると、ある女性とすれ違った。日本の多くの女性は、ファンデーションやチークでしっかりとメイクしており、その女性もそうだったため、私はてっきりその女性が日本人だと思っていた。しかし、その日本人の友人は、すぐに首を振り、「多分中国から来た観光客だろう」と言った。(文:陳言。瞭望東方周刊掲載)
少し驚いた私はすぐに、「どうして?」と聞き返した。
すると、友人は、「あの女性はたくさん買い物袋を持っていた。今の日本の若者は『無欲時代』に突入しているため、あんなにたくさん買い物をすることはなく、あんなに生き生きとした目をしていることもない」と答えた。
「生き生きとした目」と言うと、私がまず思い浮かべるのは、1980年代に私が日本に来たばかりの時の様子だ。当時、青山は開発途中で、個性的な服装をした人が集まる場所ではなく、そこから近い渋谷が、若者の集まる場所となっていた。
そして、仕事を終えたホワイトカラーの女性はミニスカートに履き替えて、渋谷にあるディスコに向かい、時には朝まで好きなだけ踊ったり、お酒を飲んだり、おいしいものを食べたりしていた。その腕には高級時計がはめてあり、椅子には高級バックをぶらさげ、カラフルなネオン輝く渋谷は活気に満ちていた。
当時の東京の若者の目は「生き生き」としていた。