記者は前回の日本への休暇旅行の際、「おっさんレンタル」を利用して、日本のおっさんと一緒に旅行した。「おっさんレンタル」以外にも、結婚式参列者のレンタル、一緒に食事をして、タイムラインに写真を投稿するための友だちのレンタル、実家に帰って両親を安心させるためのレンタル彼氏・彼女、授業を代行してくれる学生のレンタルなど、日本には様々なレンタルサービスが存在している。インターネットの発展に伴い、家に「引きこもる」人がますます増え、現実世界でのコミュニケーション能力が弱くなってきており、レンタルサービスの人気が高まっている。(文:林龍優。環球時報掲載)
「おっさん好き」と「孤独」をうまく利用した商売
「おっさんレンタル」サイトが誕生したのは2012年。当時45歳だった西本貴信さんがそのサイトを立ち上げた。日本では「ロリータ」が多いだけでなく、「痴漢」と呼ばれる変態なおっさんも多い。ファッションプロデューサーを務めていた西本貴信さんは当時、女性がおっさんたちに抱く変態なイメージを変えることを目指していた。そこで、自分をレンタルに出し、若者と交流することで、おっさんに対する人々の印象を変えるという方法を思いついた。当初はレンタルできるおっさんは西本さんだけだった。
ここ数年で「おっさん好き」が流行し、外見も整っている西本さんのレンタル事業は拡大していき、レンタルできるおっさんの数は、立ち上げ当初の1人から現在では約70人までに増えた。日本や海外のメディアから西本さんに取材が殺到し、2014年には「『おっさんレンタル』日記」という書籍も出版され、日本や台湾地区で大ヒットとなった。
「おっさんレンタル」は日本でどうしてこれほどまでに人気が高いのだろうか?これについて、専門家は、「『おっさんレンタル』は人々の『孤独』をうまく利用した商売。日本社会はプレッシャーが大きく、あまり行き過ぎた話をすべきでないとしているが、知らない人の前では気楽になり、何でも話すことができる。それに加えて、現代の若者はストレスが大きく、将来について悩みを抱えており、経験豊富なおっさんに自分の悩みを解消してほしいと思っている」との見方を示した。