日本の東京には、変わったレストランがある。利用客がオムライスを頼んだのにカレーが出されたり、コーヒーを頼んだのにオレンジジュースが出されるかもしれないのだ。しかし利用客が腹を立てることはない。このレストランは「注文をまちがえる料理店」という名前だからだ。店員はアルツハイマー病患者だ。
9月18日は日本の敬老の日だ。東京の高齢者福祉施設は16−18日にかけて、アルツハイマー病患者を支援するボランティアと共に、六本木のレストランで「注文をまちがえる料理店」というイベントを開催した。店員を務めたのは患者たち。同イベントはアルツハイマー病患者にとって友好的で寛容な社会環境をつくり、患者らがリラックスして人々と交流し、社会で仕事を続けられるようにすることを呼びかけた。
東京では17日午前に大雨が降った。しかし11時になると、六本木のイベント会場は満席になった。多くが事前に予約を入れていた利用客で、当日になり列に並んだ利用客に臨時で10席の券を配布した。職員によると、当日は16人の患者が4組に分かれ「店員」になった。
「店員」はいずれも大起エンゼルヘルプの施設入所者で、本人の申請と家族の同意があれば、簡単な研修を受けてからイベントに参加できるという。「注文をまちがえる料理店」のイベントは今回が2回目。今年6月には試験的に、職員の家族や友人を80人ほど集め、このレストランを開いた。予想通り、事前にテーブルにナンバーを表示し特殊なメニューを用いたにも関わらず、注文を受け間違えたり届け間違えるケースが6割にのぼった。しかしほぼすべての利用客が意に介さず、9割がまた来るとコメントした。「みな非常に寛容で、親切だった」
広報担当の大久保彩乃さんは新華社記者に「9月18日は敬老の日、21日は世界アルツハイマーデーだ。今回はすべての一般人を対象とするイベントで、アルツハイマー病患者をいたわり、彼らにとって友好的で寛容な環境をつくり、引き続き社会で働き、人々とリラックスして交流できるようにすることを訴えたかった。忘れたり、間違えても問題はない」と述べた。
大久保さんは「日本は高齢化の問題が非常に深刻で、自分や家族がアルツハイマー病になることを恐れる人が多い。私たちもこのイベントにより、アルツハイマーがそれほど恐ろしくはなく、社会からいたわってもらえることを伝えたかった」と話した。
主催者側は今月24日、東京都町田市のスターバックスで、同イベントを開催する予定だ。
世界保健機関によると、2010年の世界のアルツハイマー病患者は約3560万人に達した。20年毎に倍増し、2030年には約6570万人、2050年には約1億1540万人に達する見通し。世界保健機関は、アルツハイマー病患者への配慮を公衆衛生の重点としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月20日