日本の安倍晋三首相は25日夜に記者会見を開き、今月28日に衆議院を解散し、来月22日に投開票を行うことを正式に発表した。これに先んじ同日、小池百合子都知事は東京で記者会見を開き、新党「希望の党」を26日に立ち上げ、自ら代表に就任することを発表した。これは与党への挑戦とみなされている。
北東アジア情勢が緊張するなか、政治の空白が生まれると批判する声もあるが、安倍首相は支持率回復と野党の混乱を利用し、自民党勝利の流れを盤石にしようとしている。専門家は安倍首相の最大の狙いについて、衆議院で多くの議席を確保し、政権の寿命を延長し首相を続投することで、2020年までに改憲という目標を達成することと判断した。
本来ならば、次の衆院選は来年末に行われるはずだった。ロイター通信は、安倍首相は支持率が7月の26%から現在の50%前後に回復したことにより、政治の賭けに出たと伝えた。連立与党が衆議院で多くの議席を確保し、3分の2に届かなくても「圧倒的多数」を占めることができるというのだ。
衆院解散・総選挙は、安倍首相という政治の「博徒」の常套手段だと指摘する声もある。安倍首相は2014年11月、閣僚のスキャンダルと2015年の一連の政治日程をめぐり、同じ手段により野党からのさらなる責任追及を回避し、敏感な議題の「暴走」が続くという後顧の憂いをなくした。
上海国際問題研究院の陳友駿副研究員は「時期的に見ると、今回の選挙は国民と野党にとって急な話だ。安倍首相の一大目標は、民進党の一部党員の離党、小池氏の新党立ち上げというタイミングで、野党勢力の足並みとペースを乱すことだ。投票を通じ彼らの政策を有権者の目にさらし、厄介事をこしらえようとした」と指摘した。
上海交通大学日本研究センターの王少普主任は「日本の政界において、野党が与党をけん制する構造である55年体制が崩壊している。今や自民党の一強となっており、野党の監督力が弱体化している。安倍内閣の支持率回復は、野党から警戒されている。一部の政治家は、野党連合で自民党を監督するよう呼びかけているが、これは逆に安倍首相の行動を促した」と分析した。
野党をかき乱すほか、安倍首相はトランプ大統領の11月来日まで政治の準備を整え、トランプ大統領との駆け引きの駒を手にしようとしている。
日本メディアの関連記事を見ると、朝鮮の核問題、改憲問題、消費税問題は衆院選の重要議題になりそうだが、これらの話題をめぐっては意見の食い違いが多くあり、自民党に有利とは限らない。法学館憲法研究所の伊藤真所長は「安倍首相の改憲の狙いは世論の支持を得ていない。また野党は今回の選挙で一致団結しなければ、勝てないことを理解している。野党は全力を尽くし、危機を転機にしようとしている」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月26日