日本の安倍晋三首相は28日夕方、駐日中国大使館が主催する国慶節祝典に出席した。駐日中国大使館が主催する祝典に日本の首相が出席するのは15年ぶり。両国関係が低迷するなか、安倍政権は中国に友好的な姿勢を示した。
安倍首相は中国大使館で、日本が議長国となる日中韓首脳会談の年内開催への意欲を示した。また「日中首脳会談を開き、関係発展を促したい」「私の訪中の後には、習近平国家主席に訪日していただきたい」と述べた。
日本が2012年に釣魚島の「国有化」を実施してから、中日関係は両国の国交正常化以降で、最も深刻な膠着状態に陥った。安倍首相が再任すると、日本の国家路線がさらに右傾化し、外交は米国一辺倒になった。日本政府は中国に対して、対立に近い態度をとった。両国の各種摩擦が全面的に生じ、古い問題が深刻化し、新しい問題が噴出した。
中日は関係改善の努力をした。日本側はいつも口先では積極的な態度を示すが、実際の行動はまったく異なっている。日本は中国を念頭に置く「自由と繁栄の弧」や「価値観外交」の積極的な提唱者であり、南中国海問題でも破壊の役割を演じ、オバマ時代の「アジア太平洋リバランス」戦略の最も積極的な協力者になった。
ところが中国との対立により、日本は戦略的な犠牲を強いられた。まず米国への戦略的依存が強まり、米国からの尊重を失っていった。特にトランプ大統領就任後、米国は米日関係により高い値をつけるようになった。日本にはもはや、米国と駆け引きを展開する駒がないほどだ。
さらに中国と地政学的駆け引きを展開するため、日本は東南アジアなどの伝統的な影響力を持つ地域で能動性を失い、外交コストが増えた。日本は米国の力を借りることで、中国に対する構造的な優位性を占めようとしたが、実際には米国が中国との関係を調整するための駒になっていた。日本が米国の中国への態度を変えることはまったく不可能であり、選択肢が減っている。
この5年間に渡る冷え込みと摩擦で、中日は両国関係改善の願いを蓄積した。両国にとって、膠着の終了は各自の全体的な外交情勢を大きく改善できる。これはアジア太平洋の注目に値する地政学的動向となる。中日はこれにより、米国から尊重を勝ち取ることができる。
しかしこのような改善が可能であるかが問題となっている。
中日の釣魚島問題や歴史問題の食い違いは、やや表面的なものになっている。例えば釣魚島の紛争は確かに解決が困難だが、これにより生じる中日の衝突の激しさは、紛争の規模と釣り合わない。中日の衝突は感情的な争いであり、このような対立は容易に迂回できるが、また最も解消し難いものでもある。