日本が日米豪印の対話を促進、収穫は困難か

日本が日米豪印の対話を促進、収穫は困難か。

タグ:安倍政権 中米関係だ

発信時間:2017-10-27 13:22:09 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の河野太郎外相は26日、日本メディアの独占インタビューで、日米豪印4カ国の首脳級でつくる戦略対話の実現を目指し、南中国海からインド洋を経てアフリカに至る地域を中心に、共同で自由貿易と防衛協力を推進すると表明した。記事によると、安倍晋三首相はトランプ大統領の訪日中に4カ国の戦略対話を提案し、承認を得ようとしている。

 

 日米豪印4カ国対話の構想は何も新しいものではない。安倍首相は前回の政権運営中にこの願いを示した。これは安倍首相の「価値観外交」や「自由と繁栄の弧」と呼応する。当時はインドが応じず、米国も熱心でなかったことから、この構想は実現されなかった。しかし安倍首相はこれを忘れていなかった。今をチャンスと感じ、再び取り上げようとしたのだろう。

 

 安倍政権が4カ国対話にこれほど大きな興味を抱いているのは、中国を念頭に置いているからだ。これはすべての分析で一致している点だ。河野外相が言及した南中国海からインド洋を経てアフリカに至る地域は、中国が力強く推進する「21世紀海上シルクロード」と高度に重なる。日本が4カ国の戦略対話に最も熱心になり、「不撓不屈」の姿勢になっているのは、中国の台頭に特に焦りを覚えているからだ。

 

 日本は4カ国の戦略対話を実現させれば、中国と駆け引きを展開する「切り札」が一枚増えたことになる。これが実現できなくても、何度も騒ぎ立てることで中国に圧力をかけ、中国の邪魔をする能力があることをアピールできる。

 

 それでは4カ国の戦略対話は、実現できるだろうか。

 

 日本は多くの壁に直面するだろう。これは米国の考えではなく、微妙な態度を持つだろう。米国主導の構造に、ある種の米日共同主導の影が差すことを願わず、日本が積極的な提唱者になるのではなく、引き続き米国の追随者になる方を願っている。

 

 豪州とインドの態度はより複雑だ。豪州は米国の同盟国であり、日本との間に対話枠組みを持つが、中国は最大の貿易相手国だ。豪州は政治・安全面で米国に追随しているが、中国との溝を深めたくはない。明らかに中国を念頭に置く枠組みに加わることに、懸念を残している。

 

 インドは近年、中国との間に問題を起こしており、他国との関係強化を願っている。米日もインドを抱き込もうとしている。しかし米日豪と「同盟」を結び中国に対抗する姿勢を示すことは、インドにとってハイリスクな地政学の賭けであり、非同盟という一貫した原則にも反する。米日と付かず離れずがインドの利益に最も合致し、メリットを手にしながら一辺倒による損失を回避できる。

 

 そのため4カ国がある種の形式で同じテーブルについたとしても、日本が願う緊密かつ安定的な関係になることはない。このような徒党が中国にどれほど大きな影響を及ぼすかは、中国の外交のテクニックと能力にかかっている。

 

 最も重要なのは中米関係だ。米国が先頭に立たなければ、日本は何もできない。米国が安倍首相による4カ国の戦略対話という提案に態度を変えれば、中国は豪印を外で阻み、米日が4カ国戦略を展開するためのコストを上げる。

 

 この外交の合従連衡の現代的な意義はすでに大幅に割り引かれているが、これは現代の国と国の駆け引きの論理が変わったからだ。トランプ大統領はアジア太平洋リバランスに興味を持っておらず、TPPからも離脱し、米国経済復興を政権運営の中心に据えている。これはトランプ大統領が伝統的な地政学的ゲームが、すでに時代遅れだと見ているからだ。日本は選択肢が少なすぎ、古い道を歩み続けるしかない。

 

 中国は外国が徒党を組み国益を損ねる動きに反発しなければならないが、これに陥ってはならない。そうなれば熱心な日本に操られることになるだろう。中国を念頭に置くこの「弧」と対話は、中国がさらに強くなり、1、2カ国では中国を抑えきれなくなったことを意味する。中国が発展と強化を続ければ、中国は戦略的に受動者ではなく主導者になれる。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月27日


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