トランプ米大統領は13日、就任後初となるアジア歴訪を終えた。今回のアジア歴訪をめぐり、日本の政治学者で北東アジア問題専門家の藤生健氏は中国青年報のインタビューに応じた際に、未来の日米関係と東アジアの安保情勢などについて見解を示した。
記者:地域の安全と平和について、他にも注目すべき点はあるか。
藤生健氏:1990年代以降の国際情勢の変化において、日本の外交・安保戦略には次の2つの選択肢があった。まずは日米同盟を主軸とする、軍事力による大陸封鎖の路線だ。次に国連やアジアとの協力を基礎とし、新型集団安保体制を構築する路線だ。1990年代中頃になると、外務省は「国連中心主義」を念頭に置かなくなり、前者を主張する勢力が拡大した。
日米同盟を堅持する路線では、政策転換によるコストを支払わないが、同盟維持にかかるコストが拡大を続ける。日本はこのコストを支払うため、米国の世界的な覇権の強化・維持をめぐる協力を選択した。イラクに自衛隊を派遣したのは、その具体的な例だ。
米国の国力と国際的な影響力が衰退するなか、米国の東太平洋における「対中封鎖制作」がどれほど大きな力を発揮するか、これを続けることができるかが問題になっている。
パワーバランスはまだ米国側に傾いているが、米国がいつまで優位を維持できるかに関しては時間の問題だ。このバランスが中国側に傾くにつれ、米国が日米同盟のために受け入れるリスクとコストが拡大を続ける。
自民党内では現在、防衛予算を現在の2倍に引き上げることが議論されている。これは東アジアの新たな軍備競争を引き起こしかねない。中国経済の発展ペースを考えれば、日中の国力の格差が今後さらに拡大するのは分かりきっていることだ。日本は「アジア協調」を中心とする新型集団安保体制の構築を模索するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月15日