中国人女子大生殺害事件:容疑者への追訴権を有する中国司法機関

中国人女子大生殺害事件:容疑者への追訴権を有する中国司法機関。メディア報道によると、2016年11月3日未明、山東省青島市出身の女子留学生・江歌さんが当時ルームメイトだった劉鑫さんを東京都中野区の中野駅まで迎えに行き、住んでいたマンションまで帰って来た際…

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発信時間:2017-11-16 11:29:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

メディア報道によると、2016年11月3日未明、山東省青島市出身の女子留学生・江歌さんが当時ルームメイトだった劉鑫さんを東京都中野区の中野駅まで迎えに行き、住んでいたマンションまで帰って来た際、入り口で待ち伏せしていた劉さんが以前交際していた男性と口論になり、江さんが殺害されるという事件が起きた。このほど、殺害された江歌さんの母親と劉さんが面会する様子を撮影した動画が公開され、この事件が再び世間の注目を集めている。数年前から、ニュージーランドや米国で中国人が刑事事件に巻き込まれるケースがたびたび発生しており、国外で発生した刑事事件の裁判管轄権をめぐり、疑問の声があがっている。国際条約と中国の法律では、この種の事件の裁判管轄権について、具体的にどのような規定が設けられているのだろうか。検察日報が伝えた。

「属領に基づく裁判管轄権」の原則に関する規定によると、ある国の国民が他国で刑事犯罪を起こした場合は、犯罪事件が起きた国の法律を優先とする原則で処理が進められる。つまり、犯罪が発生した国が優先的に裁判管轄権を有することになる。江歌事件を例にとると、事件は日本で発生したため、たとえ事件の容疑者と被害者がいずれも中国人であっても、「属地主義」の原則に基づき、日本の刑法によって犯罪に対する審判が行われる。このような特性から、「属地主義」の原則は、海外で発生した犯罪事件に対して裁判所轄権を適用する上での「黄金ルール」とも呼ばれる。したがって、中国人が海外で犯罪者による権利侵害事件に巻き込まれた時には、ただちに警察に通報し、現地の司法機関に犯罪をめぐる事実を申し立てる必要がある。そうして初めて、現地の法律によって犯人は相応の処罰を受けることとなる。

「中国人による犯罪について、中国の法律は、容疑者に対する追訴権を認めているのか?」という一歩踏み込んだ疑問の声が、多くのネットユーザーから上がっている。もちろん、法律には明確な規定がある。中国刑法第10条は、「中華人民共和国以外の外国において犯罪を起こした者についても、中国の刑法に基づき刑事責任を負うものとする。外国で裁判を受けた場合でも、その犯罪行為について中国の刑法に基づいて刑事責任を追及することができるが、外国で言い渡された刑の執行を受けた者は、中国での刑の執行が免除または減軽される」と規定している。つまり、江歌事件について見ると、劉さんの元交際相手の容疑者は、日本で刑事罰を受けた後でも、中国の司法機関は依然、法律に基づいて追訴権を行使できる。

だが、追訴権を行使するためには、「容疑者が中国に帰国すること」という条件が満たされる必要がある。犯罪容疑者が中国国内にいるという条件を満たしているならば、刑法第10条の規定が適用できる。最高人民法院の「『中華人民共和国刑事訴訟法』の適用に関する解釈」第8条では、「その入境地または出国前の居住地の人民法院が管轄する。被害者が中国人である場合も、被害者の出国前の居住地の人民法院が管轄する」と規定されている。具体的にこの事件に当てはめてみると、もし劉さんの元交際相手が中国に帰国し、刑事責任を追求する際には、その入境地または出国前の居住地の人民法院が管轄する。あるいは、被害者の江歌さんの出国前の居住地の人民法院が管轄することも可能だ。

「外国で起こした犯罪に関して、中国が裁判を引き継ぐことはできないのか?」―江歌さんの母親と劉さんの面会動画を見た多くのネットユーザーが、この疑問を話題に出した。容疑者が犯罪を起こした国で裁判を受ける前に中国に帰国した場合は、中国の刑法の規定を直接適用し、その刑事責任を追及することができる。この場合、中国がその国と犯罪容疑者の引き渡しに関する協議合意を締結しているか否かに関わらず、容疑者が中国の国籍を持っていれば、自国民は引き渡さないという原則を採用しており、「自国民不引渡しの原則」と呼ばれる。これに対し、犯罪容疑者が外国にいた場合は、両国が犯罪容疑者の引き渡しに関する二国間条約を締結しているか否かに関わらず、「属地主義」の原則が優先的に適用される。(編集KM)

「人民網日本語版」2017年11月15日


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