新たな「米日豪印」を制約する3つの要素

新たな「米日豪印」を制約する3つの要素。「米日豪印」の枠組みがまた蒸し返されようとしている。APECベトナムサミット開催中には4カ国の高官が正式に会談し、4カ国による安全対話を再開する意欲を示し、その進展が関心を呼んでいる…

タグ:APEC ベトナム サミット 軍事同盟 競争

発信時間:2017-12-06 10:32:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米国の政策決定


 米国の政策決定は米日豪印に影響を与えるだけでなく、米国のアジア戦略全体に影響を与える。新たな「インド太平洋戦略」は経済的な柱を明らかに欠いており、経済や貿易については内容の乏しいスローガンがあるにすぎず、安全を主とした地域戦略と言える。


 1970年代以来、アジア太平洋地域には早くから、堅固な産業チェーンや生産ネットワークの土台が築かれていた。際立った成果はないが幅広く受け入れられたAPEC協力はこれによって支えられ、アジア太平洋自由貿易圏という長期的な奮闘目標はこれによって支えられ、東アジア地域の経済金融協力もこれによって支えられた。だがインド太平洋にこうした条件が備わっていないことは明らかだ。


 わかりやすく言えば、アジア太平洋は一つの経済圏だが、インド洋はまだこの枠に入っておらず、部外者にとどまっている。インド洋地域に幅広い発展の潜在力があるとしても、それはまだ潜在力にすぎない。アジア太平洋地域の経済協力には現在、方向とモデルでの争いがある。だが筆者の見るところ、アジア太平洋をインド太平洋へと拡張するということは一見良いアイデアに見えたとしても、実際の取り組みは非常に困難なものとなる。米国は、不均衡なインド太平洋戦略を打ち出したことで、アジア太平洋地域の経済協力に対する主導権とリーダーとしての地位を失う可能性もある。


地域の安全体制の発展


 インド太平洋戦略は安全を主とした戦略だが、現在のアジア太平洋、またはインド太平洋の地域の安全の重心はインド洋にはなく、東北アジアと東南アジアにある。すなわち朝鮮の核問題と南中国海の問題である。米日豪印は、この2つの問題のいずれの解決にも寄与するどころか、解決の道を狭め、トラブルを生んでさえいる。これらの地域問題を解決するには依然として、中国と米国との間の直接的な疎通が必要となる。


 米日豪印は「視野狭窄」の戦略設計だと言わざるを得ない。世界随一の力を持つ米国がこのような戦略を打ち出したことは、その衰退の兆候とも考えられる。インドの成長傾向やアジア太平洋地域の未来の発展の趨勢を考えれば、インド太平洋戦略の提出は論理的にも見える。だが日々の経験は我々に、あまり早く準備をするよりも、時が迫ってから判断した方がいいこともあると教えている。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月6日

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