日本の関東地方のある電気炉精錬所は、「九州ならば中国から近いが、船で関東さらには日本の内陸部の製鋼所に運ばなければならないとなれば、中国から買おうということにはならないだろう」と断言している。
報道によると、その一方で、中国と日本の鉄スクラップがアジア市場で競合を形成するという問題は深刻と言える。10月までで中国の輸出量が最大だった9月のデータから見ると、日本の主要な輸出先の一つであるベトナムへの輸出量は、日本が約12.9万トン、中国が約6.8万トンとなっている。中国のベトナムへの輸出は5月まで1万トンに満たなかったが、6月に2万トンに達し、際立った増加を示している。中国はベトナムと国境を接しており、日本と比べた場合の優位性を誇っている。
相沢氏は、「ベトナムが日本に提示するオファー価格は現在低下している。中国がアジア市場を占拠しつつあるのはすでに事実となっている」と指摘する。また林誠一氏は、中国と日本が競合を形成し、日本の輸出量が減少すれば、「日本国内の鉄スクラップの価格の下落を招くことになる」と指摘している。
報道によると、中国では、鉄スクラップは資源に属し、国外への流出を防止するため、鉄スクラップには40%の輸出関税が課されている。このため今のところ、低価格で鉄スクラップが輸出されることはない。だが中国とその他のアジア諸国がより近いことを考えれば、日本がアジア市場で中国と激しい競争を展開することは避けられない見通しだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月11日