日本の福田康夫元首相が編集する『世界はなぜ争うのか ―国家・宗教・民族と倫理をめぐって―』の中国語版がこのほど、中国国際儒学聨合会の推薦により人民出版社から出版・発行された。本書には世界各国の元政府首脳10人による国政運営の実践が含まれ、国際構造の変化に対する考えと意見が詳細に説明されている。
福田康夫元首相の父親でもある福田赳夫元首相、ドイツのヘルムート・シュミット首相は1981年、地球と人類の間に長期的に存在する共同の問題の解決を模索するため、各国の元政府高官でつくる「インターアクション・カウンシル(OBサミット)」を創設した。創設から30年以上に渡り、毎年定期的に会議が開かれている。政治及び地政学、経済及び金融、環境及び開発など世界的な問題について議論されている。
1987年にはローマで第1回政治リーダー・宗教学者対話が開かれた。出席者は、包括的かつ多元的な「共同倫理」を構築し、人類文明及び平和的発展の新秩序を形成することを呼びかけた。このテーマは30年に渡り堅持する主旨、奮闘の目標になった。
同サミットは2014年3月26-27日にオーストリアの首都ウィーンで開かれた。93歳になるシュミット元首相が出席し、式辞を述べた。福田康夫氏は父の後を継ぎ会議を主宰し、席上での発言やこれまでのサミットの決議・宣言内容をまとめ、論文集『世界はなぜ争うのか ―国家・宗教・民族と倫理をめぐって―』を編集した。本文は8カ国・地域での出版・発行を予定しており、英語版、日本語版、インドネシア語版が出版されている。
福田康夫氏は、この論文集の内容を、中国の発展および世界との融合の参考資料にしてもらいたいと述べた。福田氏が最も期待しているのは中国語版だという。今年の中日国交正常化45周年記念と、来年の中日平和条約45周年を迎えるためにも、本書の「前文」を執筆したほか、さらに法政大学の王敏教授に中国での出版事業を全権委任した。王教授は中国語版の翻訳作業も担当した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月12日