福建福清黄檗文化促進会は4日、日本の一般社団法人黄檗文化促進会と共同で製作した漫画「隠元禅師と黄檗文化」が間もなく刊行されることを発表した。中国新聞社が報じた。
同漫画は日本の一般社団法人黄檗文化促進会の松坂喜一理事長が編集を担当し、中国の漫画家・于舒彦さんがイラストと文章を書き、株式会社アジア太平洋観光社が製作した。刊行に当たり、黄檗研究所の田中智誠副所長や長崎歴史懇談会の原田博二会長、法政大学の王敏教授などもサポートした。
松坂理事長は、「『隠元禅師と黄檗文化』は、多くの人に愛され、分かりやすい漫画を通して黄檗文化を伝えている。両国の国民、特に日本の若者が受け入れやすいかたちになっており、中国から伝わった黄檗文化は遠い存在ではなく、今の生活の中でも見ることができることを知ってもらいたい」としている。
「隠元禅師と黄檗文化」は、黄檗宗の開祖・隠元禅師が成長の過程、そして僧として修業を積み、日本へ行く輝かしい人生の経歴を100枚以上の説明文付きのイラストで描いている。同書は中国語版と日本語版があり、中日両国で同時発売される。
福建省福州福清県出身で、黄檗山萬福寺の住職だった隠元禅師(1592-1673年)は、中国の歴史にも残る僧だ。隠元禅師は1654年に日本へ渡り、黄檗宗を開宗したほか、中国の建築、彫刻、書道、印刷、書画、音楽、医学、料理、茶道、ライフスタイルなどを日本に伝え、有名な「黄檗文化」を築き、中日文化交流史において重要な役割を果たした。
松坂理事長によると、「隠元禅師は日本に来て、仏教を伝えただけでなく、最先端の中国文化や科学技術も日本に伝え、江戸時代の日本社会に大きな影響を与えた」という。
近年、隠元禅師の故郷である福清県では「黄檗文化ブーム」が巻き起こり、そのブームが日本各界にも波及。黄檗文化交流が中日両国の文化交流の新たなプラットフォームとなっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年1月9日